J・R・R・トールキン「指輪物語」☆☆☆

指輪物語

「指輪物語」というすごいファンタジィが米国で大評判になっているという話を聞いたのは、管理人がまだ中学の頃だったように思います。どんな作品だろう、早く読みたいなぁとズ~ッと思っていました。

しかし残念ながら翻訳がなかなか出ないし、原書を読めるだけの英語力もない。いい加減諦めて忘れていたところ、いつの間にかという感じで書店に置いてありました。

ただその頃には、もうそれ程の熱意もなくなっていたので、他人から借りて読みました。

最初の数ページが少し退屈で、買わなくて良かった、こんなものか・・・と思っていましたが、読み進んでいくうちに夢中になってしまって・・・。

遥かなる昔、冥王ソウロンは自分の持つ闇の力の全てを使って一つの指輪を作りあげた。この指輪には恐るべき魔力が込められていて、それを使う術を知っている者には強大な力を与えるが、反面それを持つ者を捕らえて離さなくしてしまう。

ソウロンは善と悪の戦いの最中、人間の王イシルデュアにその指輪を嵌めた指を切り落とされ敗退するが、ソウロンの指輪を手に入れたイシルデュアも又倒され、その指輪は行方不明となってしまう。

幾世紀も経た後、小人族ホビットのフロドは叔父のビルボからその指輪を譲られ、指輪の由来を知るにつれ、召使のサムを始めとした仲間たちと共にその指輪を消滅させる旅に出る。なんて物語です。

ひとつの完全な世界を作り上げたすごいファンタジィで、何度も読みなおしていますけど、その度に感動する場面が違う。

「ロード・オブ・ザ・リング」として映画化されて大ヒットしてご覧になった方も多いと思いますが、原作は映画以上に広大なスケールの作品です。

その文学性、楽しさ・恐ろしさ、愛と勇気と友情と裏切り、義務と責任、善と悪、そこはかとなく感じられるユーモア。全てが素晴らしい。

今でこそ似たような長大なファンタジィは多いけど、これほど完成されたファンタジィは未だにお目にかかれない。

民話や伝承の力強さを感じさせてくれる、ファンタジィの傑作中の傑作です。最高傑作だと思います。長い話だけれども是非一度読むことをお奨めします。


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