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デイヴィッド・エディングス「ベルガリアード物語」の感想です。

デイヴィッド・エディングス「ベルガリアード物語」☆☆☆

ベルガリアード物語

太古の昔、世界には7柱の兄弟神と、それぞれの神を崇める民がいた。

神々の長兄アルダーは自らの民を持たず、その代わりに人間の弟子を取って魔術師として育てていたが、ある時とある石を磨いて力を持つ石「アルダーの珠」を創造する。

弟神トラクは「アルダーの珠」を欲しがり、アルダーに譲るように頼むが、アルダーにそれを拒否されるとアルダーに襲いかかり、「アルダーの珠」を奪って自分を崇拝する民族アンガラク人の元に引き籠もる。

この事に激怒した神々と人間たちはトラクに石を返すことを要求し、これを拒絶したトラクとの間に世界を2分する大戦争が起るが、トラクに従わない「アルダーの珠」がトラクの半身を焼いたことからトラクは長い眠りにつき、神々の物語は伝説となった。

それから長い年月が過ぎた頃、平和な農園で伯母ポルガラと暮らす平凡な少年ガリオンは、何者かに狙われた事をきっかけにして、ポルガラと旅の吟遊詩人「ミスター・ウルフ」それに鍛冶屋のダーニクと共に農園を離れて突然の旅に出ることになる。

旅を続ける内に増えていく人並み外れた能力を持つ仲間たち。

そして「ミスター・ウルフ」がアルダーの弟子の魔術師ベルガラスであり、ポルガラの父親であり、自分の祖父のような人物であることを知ったガリオンは、いま伝説が現実となり己に課せられた厳しい宿命を知る。


壮大なスケールで描かれた全5巻からなるファンタジィの傑作です。

善と悪、光と影の対決をメインテーマとして、あまりに人間的な神々や魔術師、王族や英雄たちなどが入り乱れて展開する異世界ファンタジィです。

物語の構成がしっかりとしているし、描かれた世界は細部までキチンと描かれているし、主人公の少年ガリオンの成長物語としても面白いし、仲間を集めて旅をするロードノベルのような要素もあるし、スペクタルな場面には迫力があるし、登場人物たちの会話もユーモラスで、盛り上がる場面も沢山あって、管理人は大変気に入っている作品です。

全5部作のシリーズは一応完結していますけど、続編の「マロリオン物語」に続く設定になっていて、こちらも非常に面白い作品です。続けて読みたいですね。