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高田靖彦 「演歌の達」の感想です。

高田靖彦「演歌の達」☆☆☆

演歌の達

主人公の越川逹は演歌こそが本物の歌だと思い込んでいる熱い男。

演歌のテイトウと言われる大手レコード会社「テイトウレコード」に就職し、自分の手で歴史に残る演歌の名曲を生み出して、「演歌の達」と呼ばれることが夢。

1年半の営業部勤務の後についに念願だった制作部への異動が決まるが、異動先は演歌担当の「第一制作部」ではなくフォークロックの「第二制作部」で、しかも上司は他社から引き抜かれた敏腕女性プロデューサー牧比呂美だった。

クールな牧の後について、不得手なロックを聴くためにライブハウスに向かうタツだったが・・・。


演歌に心底惚れた男が、演歌にこだわりながらもジャンルに囚われずに様々な人と出会い、一流のプロデューサーに成長していく姿を描いた熱血ビジネスマンガです。

1990年代にビッグコミック・スペリオールに連載されていた作品ですので、社会背景や業界事情などは少々古いと思いますが、今読み返しても十分に面白いマンガです。

管理人はこの作品を読むのが楽しみでスペリオールを買っていた時期があります。懐かしいなぁ・・・。

ものごとに真正面から真剣に取り組むタツが、始めは自分とは合わないと思うような歌い手さんや作詞家・作曲家、それに業界関係者と仕事をしていくうちに信頼を得るようになり、自分も相手も新しい発見をして伸びていく場面が心地よい作品です。