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青崎有吾「地雷グリコ」の感想です。

青崎有吾「地雷グリコ」☆☆☆

地雷グリコ

「地雷グリコ」「坊主衰弱」「自由律ジャンケン」「だるまさんがかぞえた」「フォールーム・ポーカー」に「エピローグ」を加えたゲーム・バトルを主題にした青春ミステリィの短編集です。

「地雷グリコ」はタイトルは物騒ですが、文化祭の出し物の場所取りの権利をゲームで争うという話。戦うのは頬白高校生徒会副会長の椚迅人(くぬぎ・はやと)と一年四組の射守矢真兎(いもりや・まと)の二人。地雷グリコと名付けられた特殊なジャンケン・ゲームを制するには頭脳戦・心理戦を戦い抜かなくてはならないが、どのようにして勝利を手にするのか。

「坊主衰弱」は百人一首の絵札を用いた坊主めくりならぬ神経衰弱ゲーム。

「自由律ジャンケン」はグー・チョキ・パーの3パターンに対戦者が各々一つずつ加えた5種類のパターンによる対戦型のジャンケン・ゲーム。

「だるまさんがかぞえた」は標的と暗殺者とが、それぞれ何文字で振り向くか、何歩で止まるかを事前に書き出して行う「だるまさんがころんだ」を模したゲーム。

「フォールーム・ポーカー」は、トランプをスペードやダイヤなどの種類ごとに別々の4つの部屋に置いて行う、手札3枚で行うポーカー・ゲーム。

そうしたオリジナル・ゲームから逸脱したルールのゲームを、如何にルールの裏を理解して、相手を騙し、心理戦を勝ち抜いていくかというような物語になっています。

全体的にラノベ感が強い短編集で、登場人物の名前からしてまず見かけないものですし、性格も行動も普通の人じゃないし、ゲームを主題にした、ゲームのように現実感がない小説という印象でした。

深刻な殺人事件などは起きないし、身の回りの事件を描いたミステリィというのとも違いますが、ただ頭脳ゲームのような味わいは新鮮な感じで、面白い作品でした。