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首藤瓜於 「指し手の顔 脳男2」の感想です。

首藤瓜於「指し手の顔 脳男2」☆☆

指し手の顔 脳男2

精神病患者の元関取が飲食店内で突然暴れだし、客を殺害するという事件が起こる。

この事件を皮切りにして、精神病患者による暴力事件が多発する。

事件を調査する刑事・茶屋と精神科医の鷲谷真梨子は、患者たちを影で操っている人物を追うが、連続爆破事件の犯人を殺害した後に行方をくらましていた脳男・鈴木一郎もこの事件の黒幕を追っていた。


江戸川乱歩賞を受賞した前作「脳男」をパワーアップしたようなサイコ・サスペンスです。

「脳男」に登場した刑事・茶屋と精神科医・真梨子、脳男・鈴木一郎に加えて、精神病患者を操る精神科医と殺人衝動を持つ天使のような容貌の犯罪者が登場します。

脳男と精神科医との関わりなどが描かれ、更にこの作品では脳男が犯罪者を処罰する姿勢と、それを良しとしない茶屋や真梨子との対決の様相がより濃くなっていきます。

登場人物が一癖も二癖もある個性的な人物ばかりで、物語の運びも良く出来ていますが、前作よりも更にサイコ・サスペンス風味が増して異常者の世界になっているように思いました。

また管理人の読解力が弱いせいか、犯人の動機が今ひとつ分かりにくかったですね。