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山田太一 「沿線地図」の感想です。

山田太一「沿線地図」☆☆

沿線地図

高校3年の男子と女子が家出して、二人だけで暮らし始めた。

安定しただけの人生を生きたくないと学校を辞めてしまった二人を必死に捜す親たちは、エリート銀行員と電気販売店を営む。

子供を説得して連れ戻すだけの信念も言葉も持たない親たちは、二人の家出を契機に自分たちの今までの生き方について考え始めた。

そして家出した頃の張り詰めた気持ちが薄れた子供たちは、当初とは何か違うものを感じ始めた。

山田太一の人間描写にはいつも驚かされます。

正解など存在しない人の生き方について考えさせられる作品です。