加納朋子「ぐるぐる猿と歌う鳥」☆☆☆
小学5年生になった森(シン)は父親の転勤に伴って北九州の社宅へ引越した。
根は優しいけど少しわんぱくなシンは、東京の小学校では浮いていたけど引越し先ではみんなと打ち解ける事が出来る。
社宅に住む仲間たちとの冒険の数々、そして謎の少年パックと親しくなるうちに・・・・という展開の少年少女の友情と冒険を描いた作品です。
ひょっとして児童書なのかな?そんな雰囲気も感じられますが、夢にあふれてけっこう素敵な物語でした。
加納朋子らしいひねりが少し効いていて、なるほどねと思うことも多い。
彼女の作品によく登場してくる探偵役、人間離れした推理力と説得力の持ち主が、この作品では謎の少年パックになります。
子どもといっても小学生になれば、みんなそれぞれに心に傷を持っていたり悩みがあったりしますけど、そういう事情を作者が優しく愛情を持って描いていて、何だかホンワカするような感じが気持ち良い作品です。