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五十嵐貴久「パパとムスメの7日間」の感想です。

五十嵐貴久「パパとムスメの7日間」☆☆

パパとムスメの7日間

16歳の女子高生の娘と47歳の父親の意識が、電車の事故がきっかけでお互いの身体に移り変わってしまって・・・という騒動を描いたユーモラスなドラマです。


ムスメは今時の女の子で父親が何となくうざくて、口もききたくないと思っている。

一方で父親の方は、何であんなに可愛かったムスメがこんな風になったのやらと困惑する日々。

そんな良くありがちな思春期の娘と父親に、突然降り掛かった奇妙な事故。

人に言ったら狂人扱いされると、二人はお互いになりすます事にするが、ムスメは憧れの先輩に初デートに誘われたばかりだし、父親は自分がリーダーとなっている新しいプロジェクトが詰めの段階にある。

お互いに相手のことが理解できていない父娘が、相手の立場に身を置くことになって何かが変わるというヒューマン・ドラマです。

小気味良かったのは、ムスメが父親の代わりで出席した会議で、新製品について「売れないと思いますよ」なんて本音をポロリと話して大騒ぎになるところ。

もちろん女子高生が父親の会社でボロを出さずにいるなんて現実的ではないけど、もともとが現実的な話じゃありませんしね。

なかなか面白かったです。