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ソフィー・ジョーダン「許されざる契り」の感想です。

ソフィー・ジョーダン「許されざる契り」☆☆

許されざる契り

名門ではあるけど今にも破産しそうなデリング公爵家は、ただ一人の令嬢ポーシャを裕福な一族に嫁がせ婚姻関係を結んで、何とかこの窮地から脱出したいと考えている。

しかし読書好きで頭も度胸も良いポーシャには、痩せた身体つきでとても魅力的な外観とは言えない自分が理想の花嫁候補だとは思えないし、それに不幸せな結婚生活をおくった両親を見て育ったため、自分の自由をしばる結婚はしたくない。

出来ればずっと一人で暮らしたい。

しかし一族を差配する祖母からのプレッシャーに抗する事は難しく、ヨークシャーに住む祖母の昔からの友人で裕福な伯爵夫人の館に、その孫との縁談のために滞在する事になる。

伯爵家に向かう途中、ぬかるんだ田舎道で馬車が轍にはまって立ち往生してしまった。

荒野の中いつまでたっても戻らぬ御者を探すため、ポーシャは馬車から出て歩き出すが、その途端に訪れた激しい嵐に会い身動きが取れなくなる。

そんな中、馬で駆けてきた荒々しい男性ヒースと出会ったポーシャは、彼に強く惹かれてしまう。

このヒースこそが彼女の縁談相手の伯爵だったが、実はヒースには誰とも結婚が出来ない理由があった。


罪なき嘘の罪」でませた少女として登場したポーシャが成長して主人公になっています。

「罪なき嘘の罪」がなかなか面白かったので、それなりに期待して読みましたが、何だか全体的に話に一貫性がなく今ひとつ残念な作品でした。

主人公の二人の行動もよく分からないところが多いし、ポーシャが貧しい割には自分の一族の困窮に対して鈍感すぎるし、見せ場も殆どないし、ヒースが結婚出来ないと悩んでいる理由もピンと来ない感じ。

でも単に期待値が高かっただけかも知れません。

これが一般的なヒストリカル・ロマンスの標準のような気もします。