戦国時代も末期の下野国・藤篠家で、腹黒い家臣が謀反を起こし領主一族を皆殺しにした。

たまたま外出して難を逃れた澪姫と小姓を追手が見つけ、今まさに襲わんとするその時、どこからともなくふらりと現れた黒い長羽織の男が二人を助け、ただ一人で兵を蹴散らす。

彼が遣う剣の精妙な事、鬼神のごとし。

一刀流を遣うこれ程の腕前の剣客となれば、伝説の剣士伊藤一刀斎の高弟、神子上典膳に違いない。

しかし何故典膳は縁もゆかりもない姫と小姓を助けるのか・・・。

やたら強い剣豪が登場する新しいタイプの時代小説という印象を受けました。

物語の展開が早いチャンバラ小説という感じです。

物語が進むうちに、何故姫を救ったのか、彼の秘密が明らかになっていきます。

傷だらけになりながら我が道を行く剣豪にリアリティは全くありませんが、こういう勢いで読める時代小説も、たまには良いですね。

意外に面白かったです。