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千田理緒「五色の殺人者」の感想です。

千田理緒「五色の殺人者」☆☆

五色の殺人者

高齢者の介護施設「あずき荘」で、利用者の老人・姫野一郎が利用中の個室で撲殺される事件が発生する。

倒れている姫野を発見したのは新米の女性介護士のメイこと明治瑞希と、ベテランの介護士・鈴木夏樹だが、犯人の姿は見ていない。

一方で現場から逃走する犯人らしき人物を遠目に目撃した5人の老人がいたが、彼等が証言した犯人の服装は、赤・緑・白・黒・青とバラバラの5通りだった。

警察の捜査は難航するが、たまたま当日見舞いに訪問していた利用者の親族の青年が最有力容疑者とされているらしい。

ミステリ好きのメイは、その青年に片思いしているメイの同僚・ハルに泣きつかれて、青年の無実を証明すべく素人探偵としてハルとともに事件の調査に乗り出す事になるのだが……。


第30回鮎川哲也賞受賞のミステリィで、なぜ同じような状況で犯人を目撃した老人たちに、犯人の服装の色が異なって見えていたかが物語のキーポイントの一つになっています。

メイたちが調べていく中で、色の謎も含めて、犯行の状況は徐々に解明していきますけど、最後の殺人犯が誰であったかという点に工夫が仕掛けてあるところがミソですね。

納得できる展開ではありますが、驚くほどのことはなく、どことなく軽いミステリィという印象でした。