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九井諒子「ひきだしにテラリウム」の感想です。

九井諒子「ひきだしにテラリウム」☆☆☆

ひきだしにテラリウム

33篇の短編マンガを収録した、マンガ版ショートショートといった感じの短編集です。

あまりブラックな味わいのする作品はなく、大笑いすると言うよりもショートショートらしくニヤッとするようなオチの作品が多くて、マンガですけど絵よりも言葉に重きを置いているようなところがあって、独白のようなセリフに笑ったりしてしまいます。

作品ごとにテーマによって絵のタッチを変えたりしていて、いろいろな点で作者の才能を感じます。

管理人の印象に残ったのは「恋人カタログ」という作品。サラリーマンが主人公の恋愛物っぽいSFで、彼女も可愛らしくて良いけど、最後のオチが微妙におかしくて、ありがちな恋愛物語で終わっていないところが面白いですね。

また「ショートショートの主人公」は若い頃の筒井康隆の不条理な世界を、マンガ風に展開しているような感じで、それでいて全体的には九井諒子の独特な世界が広がって、面白かったです。

妄想好きな人が思いついたことをファンタジィで包んでマンガにしたような印象の作品が多くて、深いテーマの作品は少ないため、あまり内容がないよねと思う人も居そうですけど、管理人はこれはこれで楽しめました。