ロバート・ゴダード「永遠に去りぬ」☆☆☆
転職を考えるため休暇をとって山歩きをしていたEU官僚のロビンは、その途中で一人の美しい中年女性と出会った。
言葉を幾つか交わしてから別れた彼女は、その直後に何者かに惨殺される。
生きていた彼女と話した最後の人間として証言した事から、ロビンは思わぬ事件に巻き込まれていく。
物語の中盤まではいつものゴダード調で、ゆったりとしたペースで物語が進みますが、中盤を過ぎた辺りから意外な展開を見せ始め、こんな所でこんな事実が発覚して良いの?まだ先は長いよ、と思ってしまいます。
事実は二転三転して意外な結末を迎えますが、主人公を始めとする登場人物たちの行動がピンと来ないし、管理人としては今ひとつ釈然としない気がしました。
特に主人公の行動は良く分からない。
単なる好奇心だけで行動している様でもないし、かといってのめり込む程の動機も感じられないし・・・。
作品の構成は見事ですけど読後感に感動がありませんでした。
ミステリィとしては上質だと思うのですが、ゴダードにはもう一つ上を望んでしまいます。