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ピーター・スピーゲルマン「黒い地図」の感想です。

ピーター・スピーゲルマン「黒い地図」☆☆☆

黒い地図

裕福な家庭に育ちながらニューヨークで私立探偵をしているジョン・マーチは、今や数少なくなった友人の弁護士から依頼を受けて、何者かに恐喝を受けているエリート銀行マンの事件に取りかかった。

脅迫者を追うマーチ。しかし調査を進めるうちに、悪名高いマネーロンダリングによりFBIの捜査を受けている銀行の陰謀に放り込まれていくことになる。


銀行経営を家業とする裕福な一族の出身ながら、故あって私立探偵をしている傷心の男ジョン・マーチを主人公とする、シェイマス賞最優秀新人賞を受賞したハードボイルド・ミステリィです。

あまり世間の評価が高いわけではないようですが、管理人はこの作品がとっても気に入りました。

裕福な一族の汚点と見なされる影のある暗い過去を持つ主人公。一匹狼の私立探偵。ハードボイルドっぽい雰囲気がいっぱいですけど、タフでもクールでもない主人公のジョン・マーチには、どことなくチャーミングな印象を受けます。

また彼の独白がなかなか雰囲気があって良いですね。

謎解きとかサスペンスとかアクションよりも、登場人物や人間関係、そして主人公に魅力があるミステリィ小説です。