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ニール・ゲイマン「スターダスト」の感想です。

ニール・ゲイマン「スターダスト」☆☆

スターダスト

イギリスのウォール村にはこの世界と魔法の世界を隔てるように壁があったが、その壁にはポッカリと大きな穴が空いていた。

ウォール村の住人たちは向こう側の世界に人が入り込まないように、その壁の穴を交代で見張っている。

しかし9年ごとに開かれる魔法の市の時だけは、世界中の変わり者がウォール村を訪れて魔法の世界に入って行った。

村の若者ダンスタンは魔法の市を訪れ、そこでガラスの花を売っていた美しい娘と出会い、結ばれて、その翌年に生まれたばかりの赤子が彼の家の前に届けられた。

それから18年の歳月が流れ、トリストランと名付けられた赤子はごく普通の若者に成長し、村一番の美女ヴィクトリアに恋をする。

トリストランがヴィクトリアに愛を告白した丁度その時、流れ星が壁の向こう側の世界に落ち、ヴィクトリアは彼に「あの流れ星を持ってきてくれたら、あなたの言うことを何でもするわ」と囁いた。

ヴィクトリアに愛を証明するため、トリストランは流れ星を探して魔法の世界に入る。

魔法の世界に落ちた流れ星は、イヴェインという名の少女に姿を変えていた。

流れ星の心臓を食べると若返るため、年老いた3人の魔女はイヴェインを捕まえようと画策し、王位継承を争う3人の王子はイヴェインが持つ魔法の国ストームホールドの王位を証明する宝石を奪おうと争っている。

そんな中でイヴェインと出会ったトリストランは、イヴェインをヴィクトリアの元へ連れて行こうとするのだが・・・。


魔法の世界で出会う不思議の数々、紆余曲折する物語、毒舌家の流れ星イヴェインと妖精の血を引く人の良いトリストランとの掛け合い漫才などが展開し、ニール・ゲイマンらしい魅力を感じさせてくれます。

寓意に満ちた大人向けのおとぎ話で、ニール・ゲイマンの作品にしては比較的素直なファンタジィですけど、それでもゲイマンらしい一筋縄では行かないところがあります。

映画化されましたが、そちらはもっと分かりやすくロマンチックな冒険ファンタジィに仕上がっていて楽しい作品です。

この原作小説は映画とは雰囲気が少し違っていて、特に物語の後半は映画と小説ではかなり違った展開になります。

管理人は映画の方が好きかな。