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マイケル・マーシャル・スミス「ワン・オヴ・アス」の感想です。

マイケル・マーシャル・スミス「ワン・オヴ・アス」☆☆☆

ワン・オヴ・アス

主人公ハップは他人の夢を預かるのを仕事にしている。

すれすれ合法の仕事だが、これが夢ではなく記憶を預かるとなると非合法になってしまう。

色々と事情が有って非合法な事には足を突っ込みたくないハップだったが、斡旋業者レムテンプ社の強引な勧めにあって記憶の預かり人にならざるを得なくなってしまう。

金を貯めてとっとと引退したいハップが、レムテンプ社に黙って預かった女の記憶は、なんと彼女が男を射殺するという記憶だった。

しかも殺された男は市警幹部の警部。下手をするとこの殺人事件の犯人にされてしまう。

ここから物語はジェットコースターのような展開を見せていくが・・・。


主人公の一人称で語られる、ちょいと暴力的でユニークでテンポが良い物語です。

オンリー・フォワード」や「スペアーズ」が、P.K.ディック風なとんでもない作品だったので期待して読みましたが、この作品はとんでもなさすぎてちょっと引いた感じになりました。

でも面白い作品だと思います。

当初のテーマとは全然違った展開になっていくのもマイケル・マーシャル作品らしいのですが、その奇抜な展開を自然に読ませてしまうのがまたすごい。

相変わらず主人公よりタフな女性が登場してくるのも好きです。