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リサ・クレイパス「ひそやかな初夏の夜の」の感想です。

リサ・クレイパス「ひそやかな初夏の夜の」☆☆

ひそやかな初夏の夜の

貧乏貴族の娘アナベルは裕福な貴族の家に嫁ぎたいと考えていた。

お金持ちでさえあれば別に愛情なんかなくても構わない。しかし美しい容姿を持ちながら満足な持参金も用意できない貧乏貴族の家柄なので、社交界デビューを果たしてもダンスに誘ってくれる男性は現れず、パーティで壁際の椅子に座ったままの壁の花状態になっていた。

そんなアナベラは自分と同様の3人の若い女性と知り合って親しくなり、お互いが望む結婚が出来るように助け合う事を約束した。

しかしアナベラはお目当ての容姿端麗で裕福な若い貴族には相手にされず、言い寄ってくるのはアナベラを愛人にしようという魂胆を持つ中年男ばかり。

そんなアナベラの前に現れたのは、肉屋の家に生まれながら若くして財を成したサイモン・ハントで、実は彼は2年前にアナベラの唇を奪った男性だった。

誇り高きアナベラには平民のハントを自分の結婚相手とはみなせないが、ハントに惹かれる心は止められない。


19世紀のイギリスを舞台にして、なかなか結婚できない上流階級の未婚女性を主人公にしたヒストリカル・ロマンス「壁の花シリーズ」の第一作目の作品です。

時代背景を考えれば当然ですけど、ロマンス小説のわりには主人公が打算的で高慢で違和感が多少あります。

まぁそれでも最後は自分の本当の気持に気がついてハッピーエンドになりますけど・・・。

全体的にはストレートなロマンス小説です。