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リサ・クレイパス「愛のカーテンコールを」の感想です。

リサ・クレイパス「愛のカーテンコールを」☆☆

愛のカーテンコールを

子爵令嬢のマデリンは、裕福な貴族に嫁ぐことを勧める両親の思惑に危機感を持っていた。

両親が気に入った相手は、裕福だが父親より年上の傲慢な男で、そばにいるだけで気分が悪くなるような不愉快な人物。しかしマデリンがどんなに嫌がろうとも、女は夫につき従うものだと考える両親は、まだ若くて何の取柄もないマデリンにはこれ以上の縁談は望めないと彼女に結婚を強要してくる。

何とかこの不愉快な結婚から逃れたいマデリンは、自分がスキャンダルを起こせば不品行な娘と噂されて、婚約破棄されるに違いないと思いつく。

そんな折、たまたま寄宿学校で当代一と言われる俳優スコットの写真を見て彼に惹かれたマデリンは、放蕩者の俳優スコットなら自分の相手をしてくれのではないかと考え、身分を偽ってスコットが経営する劇場に入り込むのだが・・・。


この手のロマンス小説にお決まりの、自分を過小評価する純情でひたむきな可愛らしい女性と、彼女の意図を誤解して混乱する愛に飢え傷つきやすい男性の物語です。

始めのうちはどうやってこの話を広げていくのかと思いましたが、マデリンとスコットの恋愛にスコットの素性が絡んできて物語がふくらみます。

どきどきするような話ではありませんが、まずまず楽しめるヒストリカル・ロマンスです。