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リサ・クレイパス「とまどい」の感想です。

リサ・クレイパス「とまどい」☆☆

とまどい

インドに出かけた傲慢で冷淡な夫ホークスワーク伯爵ハンターが水死してから1年が過ぎ、爵位を継いだ悪趣味で浪費家の叔父夫婦にみすぼらしい小屋住まいを強いられながらも、伯爵未亡人のラリーサは平穏な日々をおくっていた。

愛のない夫に従属する毎日から、慈善活動に打ち込む生きがいに満ちた日々。しかしそんなラリーサの元に、死んだはずの夫が生きていたとの知らせが届く。

何かの間違いに違いない。

そう思い込んでいたラリーサの前に現れた夫ハンターを名乗る男は、厳しい状況を生き抜き面やつれこそしているものの、確かに夫に瓜二つの男性で、しかもハンターとラリッサしか知り得ないことまで知っている。

またあの愛のない暮らしに戻るのかと気落ちするラリッサだったが、生き返ったハンターは以前の彼とは別人のように優しく思いやりにあふれた人間に変わっていた。

過去を悔いラリッサに愛を誓うハンターは、彼女が夢見ていた理想の夫そのもので、ラリッサは彼に強く惹かれていく。

しかしこの男性は本当にわたしの夫なの?


ちょっとミステリィっぽい感じもあって興味深い作品でしたが、しかし流石にチョットこれは全体的にムリがあるような・・・。

因習にとらわれない自由な生き方を模索する女性でありながら、主人公のラリッサがあまりに頑なで潔癖で、正直言って彼女の行動には共感出来ないなぁ。

こういう女性を愛してしまうハンターは相当な変り者で、こちらにもあまり共感できません。

そういう事が気にならなければ、それなりに面白い作品だと思います。