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ロレイン・ヒース「あなたのそばで見る夢は」の感想です。

ロレイン・ヒース「あなたのそばで見る夢は」☆☆☆

あなたのそばで見る夢は

南北戦争が終わったばかりの時代。いまだ荒野を開拓中のテキサスの田舎町に、手紙のやりとりだけでテキサスの牧場主ダラスとの結婚を決めた女性アメリアがやって来る。

ジョージアの大農園主の娘に生まれながら、南北戦争の敗戦によって苦難の道を歩んできたアメリアは、過去の全てを捨てて、新天地でまだ見ぬ婚約者と二人で築き上げる新生活を夢見ていた。

そんなアメリアを駅まで迎えに行くはずだったダラスは足を骨折し、ダラスの代わりに迎えに来たのはダラスの弟で、戦争で顔の半分に大きな傷を負った寡黙な男ヒューストンだった。

父親のお気に入りの息子だったダラスと父親に疎まれて育ったヒューストンは、元々は仲の良い兄弟だったが、戦争で父が死に、ヒューストンが大怪我を負ったことから、ヒューストンは兄を遠ざけるようになっていた。

それでも周囲に未婚女性など存在しない荒野の中を、2週間もかけてダラスの牧場まで婚約者を無事に連れて来てくれる人物はヒューストンしか思い浮かばず、ダラスはヒューストンにその役目を託したのだった。

駅のある町からダラスの牧場まで二人だけの旅。

顔だけでなく心にも大きな傷を負ったヒューストンに対して、始めは同情といたわりを持って接していたアメリアだったが、一緒に旅するうちに心優しいヒューストンに惹かれていき、またヒューストンも悲惨な境遇に負けずに前向きに進もうとする美しいアメリアに強く惹かれてしまう。

しかしアメリアはダラスと結婚を誓い合った婚約者であり、そしてヒューストンの心のなかには誰にも言えない闇が有った。


西部開拓時代の荒々しさのようなものを感じるヒストリカル・ロマンスです。

南北戦争で傷ついた男と女の物語なので少し深刻なテーマですけど、主人公の女性が明るく前向きなのと、ダラスを始めとした3人の兄弟がそれぞれ良い味わいで、一人の女性を巡る兄弟の確執もドロドロとしたものに描かれていずに、素直に楽しめるロマンス小説です。

どうも3部作でシリーズ物になっているようですね。