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ロレッタ・チェイス「灼熱の風に抱かれて」の感想です。

ロレッタ・チェイス「灼熱の風に抱かれて」☆☆

灼熱の風に抱かれて

古代エジプトの文字ヒエログリフを研究し、考古学に関して深い知識を持つ若き未亡人ダフネは、兄の名義を借りて世間にその成果を公表していた。

世の中は女性が考古学の研究をすることなど容認していない時代で、ダフネ自身も年の離れた亡夫の言うがままに人生をおくり、実は自分が有能な考古学の権威ということは隠して生きて来た。

ある日、ダフネの愛する兄が何者かに誘拐されるという事件が発生する。

ダフネはカイロのイギリス領事館に救いを求めに出かけるが、領事館は忙しくて手が足りず、ダフネに協力出来るような状況ではない。

そんな中、現在トルコの太守の牢獄につながれている英国貴族ハーゲイト伯爵の4男ルパートであれば手伝えるのではないかと聞いたダフネは、牢獄まで出向いてルパートを救い出し、兄の捜索にかかるように依頼する。

しかしこのルパートという男、どうしようもない遊び人で箸にも棒にもかからないと悪評の高い人物。ダフネはルパートと協力して兄の行方を追うのだが・・・。


初めは頭の弱いダメ男だとダフネが決め付けたルパートは、実際には切れ者で逞しくて、ダフネの心を惹き付けていきます。

一方でダフネは、自分を考古学にしか興味のないつまらない女性だと思い込んでいますが、本当は情熱的な魅力的な女性。そういうダフネの本当の姿を自覚させようと、ルパートはあの手この手で迫ります。

そんな二人の恋が19世紀のエジプトを舞台にして繰り広げられていく、ユーモラスなロマンチック・アドベンチャーです。