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沢木耕太郎「深夜特急」の感想です。

沢木耕太郎「深夜特急」☆☆☆

深夜特急

突然旅に出ることを思い立った26歳の青年が、スケジュールも決めずに、ろくな準備もせずに、一人で日本を飛び出して、香港から始まるお金をかけないバックパッカーのような旅に出るというノンフィクションです。

もうこういう類の本の中では古典のような扱いをされている名作だろうと思います。

なんだろう、文章が熱いのか、時代がそういう時代だったのか、ともかく妙に旅情を掻き立てる・・・というよりも、冒険の旅、知らない国を訪れて知らない人たちと話したくなるような、そういう風な魅力を強く感じさせる作品です。

多分この本に触発されて日本を飛び出た若者って、それなりに居そうな気がします。

この作品が書かれた頃とは、世界は大きく変わってしまっているとは思います。

もう発展途上国であっても、ここまであけっぴろげな人たちは居ないかもしれない。こんな風に混沌とした場所は、もう少ないのかもしれない。ましてや今は東南アジアから中近東、ヨーロッパと内戦やテロを心配しなくては行けない時代ですしね。

でも平穏な日本の日常を離れて、全く違う文化・生活の中で暮らしてみたい、広く世界を自分の目で直に確認したいという気持ちをこんな風に描かれてしまうと、自分とは違う世界の話というより、自分にも経験できる世界という風に思えて、好奇心や冒険心をものすごく刺激されてしまいます。

若くて好奇心が強くて時間が有り余っている時にこういう文章に接したら、単に本を読むだけでなく、旅に出たくなってしまう。

傑作ですね。