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伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」の感想です。

伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」☆☆

夜の国のクーパー

「ある国」は隣国・鉄国と8年間戦争していたが、ついに降伏し鉄国から兵士たちがやって来た。

国王の冠人は鉄国の王との交渉で国民は守られると言ったが、鉄国から来た兵士長は冠人の頭に銃を突きつけ冠人を射殺した。

突然国王が殺されて騒然となる国民達。鉄国の兵士長は国民に外出禁止を命じるが、不安を感じた国民は夜間に長老の家に集まって話し合う。

国の危機だ、これからオレたちはどうなる、クーパーの兵士が現れて助けてくれないか・・・。

「ある国」の国境には、毎年クーパーという怪物が出現して人間を襲うが、このクーパーを倒すために国民の中から選ばれる英雄がクーパーの兵士で、彼らはクーパーを倒した後に浴びてしまうクーパーの毒液の影響で、体が透明になってしまうと言われていた。

そんな人間たちの会話を聞いているのは猫のトム。人間たちは知らないが、この国の猫達は人間の言葉が理解出来るし、猫の間でも会話でコミュニケーションを取っている。

その猫のトムと出会った人間の私は、仙台に住む公務員男性で、妻に浮気をされて気分が落ち込み、小舟に乗って釣りに出かけたところが、気がついたら得体の知れない場所で蔓に縛られて身動きが取れず、そして人間の言葉を話す猫と言葉を交わしていた・・・。


異世界ファンタジィというよりも、寓話のような物語だと思います。

物語は、異世界に紛れ込んだ私と言葉を話す猫との会話、鉄国の兵士たちに占領された「ある国」の人々の行動、クーパーの兵士となった少年の伝説、猫とネズミの関係を物語る話、などを中心にして進行していきます。

あくまでも寓話ですので、物語にリアリティらしきものは一切ありません。

全ては妻に裏切られた私が生み出した妄想という話かな?と途中で思いましたが、そういう話ではありませんでした。

子供向けの絵本を分厚いファンタジィ小説に書き替えたような印象で、つまらないわけではないけど、管理人はあまり熱中できなかったですね。