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東野圭吾「恋のゴンドラ」の感想です。

東野圭吾「恋のゴンドラ」☆☆

恋のゴンドラ

恋のドタバタ喜劇を描く7編の短編を収録した連作短編集です。

主な舞台となるのは、里沢温泉スキー場という架空のスキー場で、最初の作品「ゴンドラ」に登場するのは、3年越しの同棲相手との結婚が決まったのに、勤務先に派遣されてきた女性を誘ってスノーボードを楽しみつつ浮気旅行に来た男の話。

彼女と乗った12人乗りのゴンドラに4人組の女性たちが相乗りして来るが、その中の一人がなんと婚約者だった。

自分が身につけているのは新品のウェアで、ミラーレンズのゴーグルとフェイスマスクをつけているため、多分向こうは気づいていないけど、4人組は彼氏が浮気したらどうするなんて物騒な話題で盛り上がっている。

婚約者が自分のことをジッと見たような気がして不安になり、浮気相手の女の子が自分の名前を呼ぶんじゃないかと心配し、最悪の事態が頭を過り、生きた心地がせず身が縮こまる思いでいたが・・・。

まぁ、こんな感じの軽いノリの物語が続きます。

物語は一応独立していますけど、連作短編になっていますので、登場人物は限られ、そして最後の短編「ゴンドラ リプレイ」で、やはりゴンドラに相乗りする事になった物語で閉められるという構成。

殺人事件も犯罪も謎解きもないけど、それなりにどんでん返しと言うかオチのようなものはあって、東野圭吾らしさも多少は感じます。

軽い読み物が良い人は楽しめるのではないでしょうか。管理人もそれなりに楽しめました。