面白い本を探す

東野圭吾「ガリレオの苦悩」の感想です。

東野圭吾「ガリレオの苦悩」☆☆

ガリレオの苦悩

「落下る(おちる)」「操縦る(あやつる)」「密室る(とじる)」「指標す(しめす)」「攪乱す(みだす)」の5編の短編を収録した、探偵ガリレオ・シリーズの4作目となるミステリィです。


「落下る(おちる)」は、マンションから転落死した女性が落ちる瞬間を目撃したという知人男性を疑う新米女性刑事の内海薫が、湯川学に謎解きの協力を依頼するという内海薫初登場となる作品です。

「操縦る(あやつる)」は、湯川の恩師の元大学助教授の家で起きた放蕩者の息子が殺害された事件の謎をガリレオが解き明かす物語。微妙に「容疑者Xの献身」を連想します。

「密室る(とじる)」は、ペンションを経営する友人からの依頼で、湯川学が宿泊客の転落事故の謎を調査する話。

「指標す(しめす)」は、仏壇に金塊を隠していた老女が殺害され、その家に出入りしていた保険外交員の女性が容疑者とされるが、それを疑問に思う刑事の内藤が湯川に協力を求めるという物語。

「攪乱す(みだす)」は、湯川を逆恨みする男が、ある技術を使って無差別殺人を計画し湯川に挑戦する物語。


探偵ガリレオ・シリーズらしい雰囲気を感じる作品が多かったように思います。

なかなかの名探偵ぶりを発揮する内海薫が登場して、物語の展開に幅が出てきたような印象を受けましたが、読み始めたら止まらないという程の作品はなかったですね。