ジェイン・アン・クレンツ「優しい週末」☆☆
モリーはコーヒーの街シアトルで紅茶専門店を経営しながら、父親が始めた不遇な発明家を支援する財団の理事長を務めていた。
父の遺した特許料を使って前途有望なアイデアを持つ発明家に投資するはずが、なかなか支援もままならない。
その訳は申請を却下してばかりいるコンサルタントのハリーのせい・・・。
そのせいかどうか、モリーを狙った脅迫行為が発覚した。
申請を却下されたことに不満を抱いた人物が関係しているような事件の謎を、ハリーとモリーはお互いのことを気にしながらも追い始めるが・・・。
クレンツお得意のロマンチック・サスペンスですが、比較的サスペンス要素は薄い感じです。
第六感が異常に発達した自分に戸惑い、不仲な父方・母方の親戚にはさまれて嘆いているエリート学者のハリーと、発明家一族の血を引きながらも実業家としての才能が開花している辣腕経営者モリーとの恋愛模様が面白い作品です。
ユーモアのある会話と風変わりな人物たちが登場する物語は、疲れずにサクサクと読めて心地良いですね。