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ジェイン・アン・クレンツ「めぐりあえた愛に」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「めぐりあえた愛に」☆☆

めぐりあえた愛に

父親が経営するワンマン会社の跡継ぎと目されている27歳の女性ジェシー・ベネディクトは、一風変わったおせっかい焼きで思い込みの激しい性格から、就職しても長続きせず様々な仕事を転々としていた。

一代で築いた同族会社を更に発展させたい父親は、経営コンサルタントだったサム・ハチャード(ハッチ)をCEOとしてスカウトし、サムに経営を委ねる代わりにジェシーと結婚させようと考え、この結婚に消極的なジェシー以外の家族全員がそれを望んでいる。

そうした中、ジェシーがアシスタントとして勤めていた身の上相談所の女性経営者が階段から落ちて怪我をするという事故が起こり、ジェシーが事務所を取り仕切ることになった。

そんなジェシーの元に依頼人として現れたのは、カルト風の環境団体に大学生の娘を奪われたという女性で、彼女の依頼を受けたジェシーはその団体の調査を開始する事に・・・。

一方いずれジェシーと結婚する積りのハッチは、ジェシーが怪しげな集団に関わることに猛反対するものの、言い出したら聞かないジェシーに引きずられて、その環境団体の本部がある島を訪れると言うジェシーに同行する事を決める。


1991年作というジェイン・アン・クレンツの初期の作品です。

仕事一筋で家族を顧みなかった父親は2度離婚しているが、別れた妻たちとは良好な関係を保っている。それはジェシーが父親と家族との間に立って心を砕いているから。そういう家族が一番大切というジェシーの事を、誰もが頼りにしています。

ジェシーはハッチに惹かれているけど、ハッチと父親は同種の男性だと考えて、仕事のために家族をないがしろにするような男性との結婚はしたくないと思っています。

ハッチはジェシーが家族のために犠牲になっている状況が気に食わないし、自分はジェシーの父親とは違うということを分かって欲しいと思っている。

少し変わった女性としっかり者の男性、主人公に頼りきる家族の自立、そこにミステリィの要素を少し加えるというクレンツ作品らしいテーマのロマンス小説で、予想外の展開はありませんが、ついつい読んでしまうのは基本的に管理人がクレンツ作品を好きだということですね。