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ジェイン・アン・クレンツ「渚と吐息のコンチェルト」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「渚と吐息のコンチェルト」☆☆

渚と吐息のコンチェルト

エクリプス・ベイの名家とされるハート家とマディソン家の不仲なことは伝説となっている。それは昔、共同で事業を始めた両家の男がつかみ合いの喧嘩をしてからの事らしい。

常に冷静沈着な行動をとることで知られるハート家の次女ハンナは、強引に関係を迫ってきた恋人のクルマから降ろされた砂浜で、周囲からいつか何かをしでかす男と見られている遊び人レイフ・マディソンと出会う。

何とレイフもハンナと同じように、恋人のクルマから追い出されたという。

狭い町ではあるが、お固いハンナと遊び人のレイフでは接点がなく、今まで話をしたことのない二人だったが、お互いの夢やこれからについて語ると話が弾み、レイフは夜中の浜辺は危険だからとハンナを家まで送っていった。

ところが翌日、レイフの恋人の女性が断崖から落ちて死んだとの知らせが入る。

事故にしては不可解な状況に、彼女と最後に一緒だったレイフに嫌疑がかかるが、ハンナの証言によりレイフの疑いは晴れた。

夜中に一緒にいたハンナとレイフの仲が噂になるが、レイフが町を去ってからは妙な噂も忘れられた。

それから8年が過ぎ、ハンナもレイフもそれぞれの人生を歩んでいたが、ハンナの大叔母が亡くなり、その邸宅をハンナとレイフの二人に遺すという遺言により、二人は再び出会う事になる。


エクリプス・ベイという架空の町を舞台にしたロマンチック・サスペンス3部作の1作目です。

1話読み切りで前作でチラッと登場した人物が次作の主人公になるというパターンの3部作は、アメリカのロマンス小説に多いパターンですが、ジェイン・アン・クインツ作品では比較的珍しい気がします。

クレンツ作品らしい明るさが気持ち良い作品で、登場人物も独特の個性があるし、脳天気なラブコメの世界が実に楽しい。

冷静に見ればサスペンスの部分は正直大したことないし、犯行の動機も今ひとつスッキリしないし、内容のある作品ではないのですが、やっぱり管理人はクレンツ作品が基本的に好きなんですね、

妙におかしな会話に思わず笑ったりして、クレンツの世界に入ってしまいます。