ジェイン・アン・クレンツ「この恋が運命なら」☆☆
カリフォルニアで家系調査会社の調査員をしているルーシー・シェリダンは、大好きだったおばセイラが亡くなり、その莫大な遺産が自分に遺されたと聞いて、ワインの町サマーリヴァーを13年ぶりに訪れる。
この町での最後の思い出は、町で一番危険で魅力的な青年メイソン・フレッチャーに、裕福な不良青年トリスタン・ブリンカーが主催するドラッグ・パーティーの中から救い出されたこと。
その事件の後、セイラはルーシーを自宅に招くことをしなくなり、ルーシーとサマーリヴァー、そしてメイソンとの縁は切れていた。
相続したセイラの家の修理をしようと考えたルーシーは、メイソンの叔父が経営する工具店を訪ね、そこでたまたま帰省していたメイソンと再会して家の修理を頼むことになる。
もともと憧れていたメイソンに複雑な気持ちを抱くルーシーだったが、ある夜メイソンを招いて一緒に食事をとる事に・・・。
二人でゆったりとしているところで、ふと暖炉の様子がおかしいことに気がついたメイソンが暖炉を調べてみると、そこには13年前に行方をくらました町の不良トリスタン・ブリンカーの遺体が隠されていた。
トリスタンは正体を隠していたが性格が破綻した殺人鬼で、実はルーシーの事を狙っていた。
それに気がついたセイラが何らかの手段でトリスタンを殺害し、遺体を隠したと推測されたが真相は不明のまま。
そうした事実に心が乱れるルーシーだったが、更にルーシーがセイラから相続した会社の経営権の事で、町の大立物とその家族が複雑な状況にいると聞かされる。
セイラの事故死の原因を疑い始めたルーシーは、メイソンの力を借りて事件の真相を調べ始めるのだが・・・。
ジェイン・アン・クレンツらしいロマンチック・サスペンスです。
なんといっても主人公たちが少し風変わりで前向きでおかしくて、物語が変に暗くならないところが個人的に好きです。
ミステリィ仕立てでそれなりに良く出来ていますが、あまりハラハラ・ドキドキせずに読めるところが良いですね。