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ジェイン・アン・クレンツ「夢を焦がす炎」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「夢を焦がす炎」☆☆

夢を焦がす炎

超能力者を持つ人々の秘密組織「アーケイン・ソサエティ」のメンバーを主役にしたロマンチック・サスペンス・シリーズの4作目の作品です。

ただ今回の主人公たちは、ソサエティとは訳ありで距離を置いていますが・・・。

アーケイン・ソサエティの創始者と反目した錬金術師を先祖に持つジャック・ウィンターズは、夢遊病者のような行動を取る自分に恐怖心を抱いていた。

一つしか持てないとされる超能力だが、ジャックには2つ目の能力が現れ始め、それと同時に出現した幻覚や悪夢に悩まされていた。

かつて複数の能力を持つようになった者は、その殆どが精神錯乱の末に早死している。

これに対処するには、ウィンターズ家に古くから伝わる強力なパワーが宿る謎のランプと、ランプの力を制御出来る女性が必要だった。

ジャックが探し当てたのは、夢の痕跡であるドリームライトを感知する能力を持つ私立探偵のクロエ・ハーパーという女性。

ジャックはクロエに行方が分からなくなったランプの捜索を依頼するが、何故かクロエに運命的なものを感じていた。


人間の本質は夢に凝縮され、その中には悪夢の形を取るものが多い。

他人の悪夢の影響を受けるため同じベッドに眠ることも出来ないクロエは、他人との接触を恐れ、男性と永続的な関係を築くことも出来ず、今は独身主義者を標榜している。

そんなクロエだったが、ジャックと一緒に行動するうちに、彼とは何の問題もなく過ごせることに気が付くが、ジャックとの関係が続くかどうかに不安を感じてしまう。

ランプを探すジャックとクロエに忍び寄る謎の組織「夜陰」の魔手を防ぎながら、お互いに惹かれ合う二人ですが、それぞれが抱える問題が気になって・・・というロマンチック・サスペンスで、なかなか良い感じです。