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ジュリー・ガーウッド「精霊が愛したプリンセス」の感想です。

ジュリー・ガーウッド「精霊が愛したプリンセス」☆☆

精霊が愛したプリンセス

ロンドンの社交界で正体不明のプリンセスとして人気を集めているクリスティーナは、残虐非道な行いで母親を苦しめ死に至らしめた実の父親に復讐を果たすためイギリスに来ていた。

母親は裕福なイギリス貴族の娘で、ヨーロッパ某国主と恋に落ちクリスティーナを産んだが、夫の残虐な性格に恐れをいだいてアメリカに逃れ、命がけでクリスティーナをアメリカ・インディアンのダコタ族に託して亡くなった。

ダコタ族の元で奔放に逞しく育てられたクリスティーナは、ボストンで暮らしていた強欲で底意地の悪い伯母の元を訪れ、イギリスに帰りたくて仕方がなかった伯母とともにロンドンにやって来た。

しかしイギリス社交界の男性は、クリスティーナを育ててくれたダコタ族の精悍な父親や兄に比べてひ弱で退屈で、情報を集める為に社交界に出入りしていたクリスティーナは毎日うんざりしていたが、ある時社交場で出会った顔に傷を持つ野性的なライアンウッド公爵(ライアン)に強く惹かれてしまう。

いっぽう愛する妻に裏切られた経験を持つライアンは、愛人以外の女性とは距離を置くように努めていたが、誰もが恐れる自分に対しても物怖じすることのない美しく謎めいたクリスティーナに興味を惹かれる。

こうして出会った二人は、お互いの過去に囚われながらも求め合い、そしてクリスティーナを狙う彼女の父親との対決に向かっていく。


社交界の花形ながらも、どこか人とずれていて、妙な話し方をする天然ボケのようなクリスティーナに戸惑いながら、彼女に強く惹かれていくライアンが可笑しいですね。

他人からは恐れられている男性に一目ぼれするヒロインというのは、こういうロマンス小説の一つのパターンですけど、この作品は発想が自由というか奔放な感じが楽しいですね。