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ジュード・デヴロー「心すれちがう夜」の感想です。

ジュード・デヴロー「心すれちがう夜」☆☆

心すれちがう夜

20世紀初頭のニューヨークの女性人権運動家テンペランスは、母親がスコットランド人男性と再婚したことから自由に暮らせたニューヨークからスコットランドに連れて行かれた。

不自由なスコットランドでの生活に馴染めずニューヨークに戻りたいと言うテンペランスに対して、義父は彼の甥ジェームズを誰か良い女性と結婚させてくれれば、テンペランスをニューヨークに帰しても良いと言い出す。

ジェイムズはスコットランドの田園地帯にある小さな村マッケアンの領主をしているが、今のところ結婚する気などない。

何としてもニューヨークに戻りたいテンペランスはマッケアンに赴き、ジェイムズの花嫁探しに奔走することになるのだが・・・。


初めは反発し合うジェイムズとテンペランスの二人だが、お互いの人柄を知るにつれ惹かれ合ってしまう。しかしそれぞれのプライドが邪魔してなかなか仲が進展しない。

そんな風に展開する、よくあるロマンス小説です。

登場人物が面白いし、話の組み立てもまずまずだし、スコットランドの田園地帯の雰囲気は良かったのですけど、肝心の主人公たちに今ひとつ共感出来なかった気がします。

ラストシーンも個人的にピンと来ない決着でした。

ジュード・デヴローの作品は、ラストの盛り上がりに欠ける作品が多いような気がしますね。