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ジェフリー・ディーヴァー 「ソウル・コレクター」の感想です。

ジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」☆☆☆

ソウル・コレクター

宿敵とも言える「ウォッチ・メイカー」を罠にかける作戦をロンドンで遂行中のライムの元に、ライムの従兄アーサーの妻ジュリアが訪れ、殺人罪で逮捕されたアーサーの無実を訴えるとともにライムの助力を乞う。

若い頃は兄弟同然だったが、ある出来事からライムはアーサーと距離を置くようになっていた。

あまりにも不自然に整いすぎた証拠に疑問を抱いたライムが事件の調査を開始したところ、同じような事件が他にも発生していることが判明する。

殺人を犯しながら証拠を捏造して、罪を他人に被せている異常者がいる。

世界中の情報を集め、その情報を瞬時に解析するプログラムを開発した巨大な情報処理企業。様々な個人情報が集まるこの企業のデータベースから情報を抜き出せる人間が怪しいと思われるが、ライムのチームは犯人らしき人物を絞り込めない。

そうした中で、自分を邪魔するライムたちの存在に気がついた犯人は、密かに逆襲を開始する。


四肢麻痺の元NY市警科学捜査部長リンカーン・ライムを主人公にしたミステリィ・シリーズの第8作目です。

いつものジェフリー・ディーヴァーらしい二転三転するジェット・コースターのような話ではなく、謎の犯人を追うライムやサックスの姿と、ライムとアーサーの気持ちのすれ違いが描かれた、今までのライム・シリーズとは少し違った雰囲気があるミステリィです。

ライムの驚くような推理力が事件を解決に導く推理作品というよりも、あらゆる情報を集めている企業(グーグルがモデルかな?)の怖さのようなものが特徴的なミステリィになっています。

果たしてここまで出来るのか?と思いつつ、将来は本当にこんな風になるかもしれないと思うと、あまり良い気持ちはしませんね。