解散の危機にあった小劇団シアターフラッグの再生を描いた作品の続編です。

好きな芝居が出来れば良いという感性で運営してきたシアターフラッグだが、公演した時には黒字化するように意識改革を進めた結果、劇団員みんなが本気で演劇にも経費削減にも物販にも取り組むように変わっていく。

そうした中で制作全般の面倒を見た鉄血宰相こと春川司は、自分が劇団と縁を切る2年後を見据えて、劇団員たちだけで制作の仕事が出来るように今から仕事を覚えていくべきだと古参の劇団員・黒川に言い渡した。

演じるだけでなく制作までやる事で劇団内部でも様々な軋轢が生まれ、更に羽田千歳が参加する前の昔のシアターフラッグの方が良かったという投稿が劇団の公式サイトにされたりと、まだまだ前途多難のシアターフラッグだが・・・。

前作は劇団主宰者の弟に300万円を貸し付けるとともに、劇団員たちに全力を尽くさせるために裏方の制作に携わった春川司と、劇団に新規加入した人気声優・羽田千歳、それに劇団員たちをからませた物語でしたが、続編では劇団員それぞれに焦点を当てた物語となっています。

いくつかのカップルが生まれ、ちょっと3角関係ぽかった司と巧と千歳の関係も、巧の事が好きな劇団の看板女優・早瀬牧子が行動に出ていい感じで収まっていきます。

前作よりも恋愛小説のような展開を示していますが、でも基本は演劇に打ち込む若者の青春群像といった感じの作品。

続編が待たれますが、どうでしょうかねぇ・・・。