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諸星大二郎「スノウホワイト グリムのような物語」の感想です。

諸星大二郎「スノウホワイト グリムのような物語」☆☆☆

スノウホワイト グリムのような物語

トゥルーデおばさん」に続くグリム童話を元にした諸星風ブラック・メルヘンの第二部です。

「七匹の子やぎ」「奇妙なおよばれ」「漁師とおかみさんの話」「スノウホワイト」「小ねずみと小鳥と焼きソーセージ」「ラプンツェル」「コルベス様」「めんどりはなぜ死んだか」「カラバ侯爵」「藁と炭とそら豆」「とりかえっ子の話」「金の鍵」の12の短編を収録しています。


寓意性に満ちたもの、ユニークな発想のファンタジィ、少し滑稽味のあるものなど内容は多岐にわたりますが、前作に増してブラックな味わいを感じます。

「長靴を履いた猫」を元にした「カラバ侯爵」が、分かりやすいブラック・ファンタジィです。

読んでいると、陽気で明るい物語よりも、こちらの方がオリジナルのような気がしてくるのが不思議ですね。

諸星大二郎というマンガ家は、やっぱり天才というかスゴイなぁ。