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デイヴィッド・ハンドラー「ブルー・ブラッド」の感想です。

デイヴィッド・ハンドラー「ブルー・ブラッド」☆☆☆

ブルー・ブラッド

ニューヨークで最も権威があるとされる新聞にコラムを掲載している新鋭の若き映画批評家ミッチ・バーガー。

しかし最愛の妻を病で亡くしてから精神的に落ち込み、その様子に心を痛めた敏腕編集者から、ニューヨークからそれ程離れていない高級リゾート地・コネティカット州ドーセット村に取材に出かけるよう依頼される。

自然にあふれたドーセット村のビッグシスター島にある馬車小屋が貸家として出ていることを偶然知ったミッチは、ひと目でそこが気に入り、ニューヨークからビッグシスター島に移ることを決めるが、ドーセット随一の名家の地所に、どこの馬の骨かも分からぬ人物が住み着くことに、地主の関係者たちは良い顔を見せない。

そんな中で、畑仕事でもしようかと土地を掘り返したミッチは、何と死体を掘り出してしまう。

通報を受けて駆けつけた若き警部補で美貌の黒人女性デズに邪魔者扱いされながらも、好奇心旺盛なミッチは事件の謎を解き始めるのだが・・・。


犯人当てとか事件の全容とかは、特に驚くような内容では有りませんが、豊かな自然と歴史ある建物などの風雅な景色や、ミッチの人柄、デズの悩みなど、登場人物や事件の舞台となったドーセットやビッグシスター島の描写が素晴らしい作品です。

このシリーズはけっこうおどろおどろしい内容の事件が起るのですけど、探偵役ミッチの人柄の良さで暗い雰囲気が薄らぎます。

1作目のこの作品も、内容的には暗めの部分が多いと思いますけど、主人公ミッチと彼の恋人役になるデズのコンビの雰囲気に癒やされる気がします。

全体的に落ち着いた雰囲気が感じられるサスペンスです。