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ディヴィッド・ブリン「ガイア - 母なる地球」の感想です。

ディヴィッド・ブリン「ガイア - 母なる地球」☆☆

ガイア - 母なる地球

人口が100億を超えた未来の地球が舞台。

環境破壊はこれ以上は許されない状況にあり、世界中に広まったネットの影響で個人のプライバシーすら保てない世界では、どの国・政府も大きな力を持っていない。

戦争を遂行する能力を持つ国はなく、平和を保ってはいるものの、未来への希望もない閉塞された世界が生まれている。

そうした中で、天才科学者アレックスは地球内部に意図的に作られたブラック・ホールを発見する。

これをこのまま放置しておけば、数年後には地球は崩壊する。

こうした状況に各国政府の関与を疑ったアレックスは、科学者仲間の協力を得て、自分達だけで秘密裏にこれを始末する計画を立てた。


ブラック・ホールの始末を縦軸にして、現存する社会矛盾や人類の更なる進化を横軸にして、複雑な展開を見せるSF大作です。

結末はいささか抽象的な印象で分かりづらいところもありましたが、基本的には人類や未来に対する楽観的な姿勢が感じられ、全体的に明るい雰囲気の作品で面白かったです。