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チャールズ・ディケンズ「クリスマス・カロル」の感想です。

チャールズ・ディケンズ「クリスマス・カロル」☆☆☆

クリスマス・カロル

クリスマス・イヴに自宅で眠る強欲な老人スクルージの前に、7年前に死んだ共同経営者マーレイの亡霊が訪れてくる。

やはり強欲な男だったマーレイは重い鎖を引きずりながら、このままではお前もとんでもない目に会うぞと警告した。

これから訪れる3人のクリスマスの精霊の言葉に耳を貸せと告げてマーレイの亡霊は去り、その後相次いで「過去」「現在」「未来」のクリスマスの精霊がスクルージの前に現れる。

自分の事しか考えない冷酷無情な守銭奴のスクルージは、精霊が見せる過去の自分・過去の出来事、スクルージに薄給でこき使われている事務員一家の愛情にあふれたクリスマスの様子、スクルージの唯一の血縁者である甥夫婦とその友人たちが迎えた笑顔がいっぱいの明るく楽しいクリスマス、そしてロンドン中でそれぞれにクリスマスのお祝いをする人々、更に守銭奴のままで死んだ時の自分の末路を見せられ、さすがの冷酷な男の気持ちも大きく変化していく。


クリスマスの奇跡を描いた心あたたまる名作です。世界で一番有名なクリスマス・ストーリーかも知れません。

人間というのはそう簡単に変われるものではないと思いますが、一夜の不思議な体験で人が変わってしまう物語を素直に受け入れてしまうのも、クリスマスならではかも知れません。

クリスチャンでなくとも、クリスマスになると何となく心がウキウキして来ますものね。

毎年クリスマスが近づいて来ると読みたくなる名作です。