日本ホラー小説大賞受賞作
日本ホラー小説大賞は、角川書店と角川文化振興財団が主催するホラー小説の公募新人文学賞です。
1994年に角川書店とフジテレビにより、恐怖を通して人間の闇と光を描こうとする作家を発掘するために創設されましたが、2018年に優れたミステリィ作家を発掘する公募ミステリィ新人文学賞「横溝正史ミステリ大賞」と統合して「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」となり、日本ホラー小説大賞としては第25回で終了しました。
以下は大賞の受賞作です。
第25回(2018年)
秋竹サラダ : 祭火小夜の後悔
( 受賞時 / 魔物・ドライブ・Xデー )
毎晩夢に現れ、少しずつ近づいてくる巨大な虫。この虫に憑かれ眠れなくなっていた男子高校生の浅井は、見知らぬ女子生徒の祭火から解決法を教えられる。幼い頃に「しげとら」と取引し、取り立てに怯える糸川葵も、同級生の祭火に、ある言葉をかけられて―怪異に直面した人の前に現れ、助言をくれる少女・祭火小夜。彼女の抱える誰にも言えない秘密とは?新しい「怖さ」が鮮烈な、第25回日本ホラー小説大賞&読者賞W受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第25回(2018年)
福士俊哉 : 黒いピラミッド
( 受賞時 / ピラミッドの怪物 )
「黒いピラミッドが見える…あのアンクは呪われているんだ…」聖東大学で起きた殺人事件。犬のマスクを被り古代エジプト研究室に乱入、教授を撲殺した男の最後の言葉を耳にした専任講師の日下美羽は、「呪われたアンク」に導かれるようにエジプトの地へ降り立つ。辿り着いた砂漠の果ての呪われた遺跡で美羽が目にしたのは―。
(「BOOK」データベースより)
第24回(2017年)
該当作なし
第23回(2016年)
該当作なし
第22回(2015年)
澤村伊智 : ぼぎわんが、来る
( 受賞時 / 澤村電磁 : ぼぎわん )
“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが…!?全選考委員が大絶賛!第22回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第21回(2014年)
雪富千晶紀 : 死呪の島
( 受賞時 / 死咒の島 )
伊豆諸島の東端の須栄島。高校生の打保椰々子は島民たちからなぜか“呪われた美少女”として避けられていた。彼女はある日、「災いが来る」という不穏な預言を聞く。それを皮切りに島では謎の怪異が続発することに。客船の沈没、頭部の欠けた死体、老婦夫刺殺事件、人喰い鮫、海から這い出してくる大量の死者…。次々と死人が出る事態に恐れ慄く島民たち。そんななか、椰々子に好意を寄せる同級生の杜弥は、被害者すべてが彼女の関係者だと気づき…。立ちはだかる苛烈な運命を椰々子と杜弥は乗り越えることができるのか!?第21回日本ホラー小説大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第20回(2013年)
該当作なし
第19回(2012年)
小杉英了 : 先導者
( 受賞時 / 御役 )
5歳のとき、ある組織から「先導者」として認可された“わたし”。死者に寄り添い、来世でも恵まれた人間として転生できるように導く役割を託されていた。突然の命令に戸惑いながらも、寡黙な世話人、曾祢の献身に支えられ、“わたし”は過酷な訓練を積んでいく。そしてついに最初の任務を果たすときが来たが…。葛藤しながら生きるひとりの少女の自我の芽生えを、繊細かつ鮮烈に描いた、第19回日本ホラー小説大賞大賞受賞作!
(「BOOK」データベースより)
第18回(2011年)
該当作なし
第17回(2010年)
一路晃司 : お初の繭
( 受賞時 / ふりーくかな : あゝ人不着紬 )
家計を助けるため12歳で製糸工場に働きに出ることになった少女・お初。被傭期間は3年。期間中は会社の命令に逆らうことはできない。身体検査や全裸になっての虫干しから始まった奇妙な工女生活は、予想に反し快適だったが、それもつかの間、次第に逃れられない恐怖の惨劇に変貌してゆく…。煮繭の臭いでむせ返る製糸工場にうごめく淫靡な恐怖を描く、とてつもなく怖いお伽噺。選考委員をうならせたホラー小説大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第16回(2009年)
宮ノ川顕 : 化身
( 受賞時 / ヤゴ )
まさかこんなことになるとは思わなかった―。日常に厭き果てた男が南の島へと旅に出た。ジャングルで彼は池に落ち、出られなくなってしまう。耐え難い空腹感と闘いながら生き延びようとあがく彼の姿はやがて、少しずつ変化し始め…。孤独はここまで人を蝕むのか。圧倒的筆力で極限状態に陥った男の恐怖を描ききる。緻密な構成と端正な文章が高く評価された、第16回日本ホラー小説大賞大賞受賞作「化身」ほか2編を収録。
(「BOOK」データベースより)
第15回(2008年)
真藤順丈 : 庵堂三兄弟の聖職
死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。父の七回忌を機に、当代の遺工師である長男・正太郎のもと久々に三兄弟が集まる。再会を喜ぶ正太郎だが、次男の久就は都会生活に倦み、三男の毅巳も自分の中の暴力的な衝動を持て余していた。さらに彼らに、かつてなく難しい「依頼」が舞い込んで―。ホラー小説の最前線がここに!第15回日本ホラー小説大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第14回(2007年)
該当作なし
第13回(2006年)
該当作なし
第12回(2005年)
恒川光太郎 : 夜市
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第11回(2004年)
該当作なし
第10回(2003年)
遠藤徹 : 姉飼
( 受賞時 / あついすいか )
さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は―。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい…。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集。
(「BOOK」データベースより)
第9回(2002年)
該当作なし
第8回(2001年)
伊島りすと : ジュリエット
娘と息子を連れ、亡妻との思い出の地である南の島を訪れた小泉健次。彼は、その島にある建設途中のゴルフ場の管理の仕事をすることになっていた。ある日、健次は息子にせがまれて採った貝を貝殻にしようと浜に出ると、出会った老人から“魂抜け”という言葉を聞く。貝から中身が落ちるところは決して見てはいけないのだそうだ。だが、親子三人はその瞬間を偶然目撃してしまう。その日を境に彼らの周りで不思議な出来事が起こり始めた…。第八回日本ホラー小説大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第7回(2000年)
該当作なし
第6回(1999年)
岩井志麻子 : ぼっけえ、きょうてえ
( 受賞時 / 岡山桃子 )
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。
(「内容紹介」より)
第5回(1998年)
該当作なし
第4回(1997年)
貴志祐介 : 黒い家
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
第3回(1996年)
該当作なし
第2回(1995年)
瀬名秀明 : パラサイト・イヴ
( 受賞時 / 鈴木秀明 )
事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。Eve 1と名付けられたその細胞は、恐るべき未知の生命体へと変貌し、利明を求めて暴走をはじめる―。空前絶後の着想と圧倒的迫力に満ちた描写で、読書界を席巻したバイオ・ホラー小説の傑作。新装版刊行に際して、発表時に研究者でもあった著者から、科学者あるいは小説家を志す人達に贈る、熱いロングメッセージを収録。
(「BOOK」データベースより)