ガラスの鍵賞受賞作
ガラスの鍵賞(Glass Key award)は、スカンジナヴィア推理作家協会 (Skandinaviska Kriminalsallskapet)が北欧諸国の作家によって書かれたその年最も優れた犯罪小説に対して贈る、1992年創設のミステリィ文学賞です。
アメリカのミステリィ作家ダシール・ハメットの小説「ガラスの鍵」に因んで名付けられました。
以下は受賞作です。
2023年
(Max Seeck)
((Kauna))
2022年
(Morten Hesseldahl)
((Mørket under isen))
2021年
トーヴェ・アルステルダール(Tove Alsterdal)
忘れたとは言わせない(We Know You Remember(Rotvälta))
23年前、凶悪事件を自白し、保護施設で育ったウーロフ。事件当時14歳だった男が釈放され、帰郷した時、事件は起きた。ウーロフの父が死体で発見されたのだ。犯人と疑われ、世間の誹りを受けるウーロフ。事件の捜査に当たる、ウーロフと同郷の警察官補エイラ。彼女の前に、次第に過去に起きた別の事件が浮かび上がってくる――。
(「内容紹介」より)2020年
カミラ・グレーベ(Camilla Grebe)
(-(Skuggjagaren))
2019年
スティーナ・ジャクソン(Stina Jackson)
娘を呑んだ道(The Silver Road(Silvervagen))
3年前、スウェーデン北部の村、グリマストレスクで17歳の少女・リナが失踪した。地元の学校で数学教師をする少女の父親・レレは、3年たった今も単独で娘の捜索を続けていた。少女が失踪した朝、シルヴァーロード沿いのバス停までリナを送っていったのは父親だった。娘をバス停で降ろしてからバスが来るまで15分、その間に誰かに連れ去られたのだろうというのが警察の見解だった。娘はバスに乗らなかった。同じ頃、グリマストレスクに流れ着いた母娘がいた。娘のメイヤは母親が男を変えるたび何度となく引っ越しをくり返してきたが、こんな遠くまでやって来たのは初めてだった。母親のシリヤはこれが最後だと言った。母親の新しい相手はトルビョルンと言った。メイヤからすれば祖父といってもおかしくない年齢だった。その夏、リナが失踪したシルヴァーロードからほど近い場所で、17歳の少女・ハンナが行方不明になった。この事件をきっかけに、レレとメイヤの運命が大きく動き出す――。子を思う親の狂気が招いた悲劇を、北部スウェーデンの暗澹とした風土とともに描き出した、大型新人デビュー作。
(「内容紹介」より)2018年
カミラ・グレーベ(Camilla Grebe)
(After She's Gone(Husdjuret))
2017年
(Malin Persson Giolito)
(Quicksand(Storst av allt))
2016年
エーネ・リール(Ane Riel)
樹脂(Resin(Harpiks))
デンマークの僻地に住む一家。ほぼ自給自足の幸せな暮らしは、クリスマスに起きた事件を境に一変する。変わり者の父は偏屈さを増し、物静かな母は次第に動けなくなり、少女リウはゴミ屋敷と化した家で、隔絶された世界しか知らずに育っていく。やがて赤ん坊が生まれることになったが、そのときリウは父の意外な姿を目にし……。一家はなぜこうなってしまったのか? 心を打たれる切なさで北欧ミステリ界に新風を吹きこみ、北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」賞、デンマーク推理作家アカデミー賞の二冠に輝いた傑作長篇。
(「内容紹介」より)2015年
トーマス・リュダール(Thomas Rydahl)
楽園の世捨て人(The Hermit(Eremitten))
母国デンマークを捨て、大西洋に浮かぶカナリア諸島で暮らすタクシー運転手兼ピアノ調律師のエアハート。欲もなく、熱意もなく、怠惰に日々を過ごす彼が、ある日遭遇したのは、海岸に遺棄された車から見つかった身元不明の幼児の死体だった。観光産業への影響を恐れる警察が事件をうやむやに葬ろうとしていることに気付いたエアハートは、ことの真相を突き止めようとするが……北欧ミステリ最高の賞を射止めた力作!
(「内容紹介」より)2014年
(Gard Sveen)
(The Last Pilgrim(Den siste pilegrimen))
2013年
ヨルン・リーエル・ホルスト(Jorn Lier Horst)
猟犬(The Hunting Dogs(Jakthundene))
17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか? そして真犯人は誰なのか? 世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた……。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説
(「内容紹介」より)2012年
エーリク・ヴァレア(Erik Valeur)
7人目の子(The Seventh Child(Det syvende barn))
誰かぼくたちをもらってくれますか?――児童養護院の一室で撮られた7人の幼子の写真。それが載った古い記事とベビーソックスの入った封筒が、デンマーク国務省に届く。中に養子縁組申請書も同封されていた。項目欄には「ヨーン・ビエルグストラン」という名前。この子は誰の養子になり、なぜこれがここに? 局長長官はおそれを抱く。彼自身、養護院の秘密を隠しており……北欧最高のミステリ賞〈ガラスの鍵〉賞受賞。
(「内容紹介」より)2011年
レイフ・GW・ペーション(Leif G. W. Persson)
許されざる者(The Dying Detective)
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。
(「内容紹介」より)2010年
ユッシ・エーズラ・オールスン(Jussi Adler-Olsen)
特捜部Q-Pからのメッセージ(A Conspiracy of Faith(Flaskepost fra P))
その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いた時、捜査の歯車が動き出す。手紙の冒頭には悲痛な叫びが記されていたのだ。「助けて」いまひとつ乗り気でないカールをよそに、二人の助手アサドとローセは判読不明のメッセージに取り組む。やがておぼろげながら、恐るべき犯罪の存在が明らかに……
(「内容紹介」より)2009年
ヨハン・テオリン(Johan Theorin)
冬の灯台が語るとき(The Darkest Room)
エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住みはじめたヨアキムとその家族。しかし間もなく、一家に不幸が訪れる。悲嘆に沈む彼に、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋…そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる―。
(「内容紹介」より)2008年
スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson)
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(The Girl Who Kicked the Hornets' Nest(Luftslottet som sprangdes))
- 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆
宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。
(「内容紹介」より)2007年
マッティ・ロンカ(Matti Ronka)
(-(Ystavat kaukana))
2006年
スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson)
ミレニアム(The Girl with the Dragon Tattoo(Man som hatar kvinnor))
- 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した。だが名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れた。そんな折り、大企業グループの前会長ヘンリックから依頼を受ける。およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしいというのだ。解決すれば、大物実業家を破滅させる証拠を渡すという。ミカエルは受諾し、困難な調査を開始する。
(「内容紹介」より)2005年
アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム(Anders Roslund & Borge Hellstrom)
制裁(The Beast(Odjuret))
凶悪な殺人犯が護送中に脱走した。市警のベテラン、グレーンス警部は懸命にその行方を追う。一方テレビの報道を見た作家フレドリックは凄まじい衝撃を受けていた。見覚えがある。この犯人は今日、愛娘の通う保育園にいた。彼は祈るように我が子のもとへと急ぐが……。悲劇は繰り返されてしまうのか? 北欧ミステリ最高の「ガラスの鍵」賞を受賞した人気シリーズ第1作。著者本人による改稿を反映した決定版。
(「内容紹介」より)2004年
(Kurt Aust)
(-(Hjemsokt))
2003年
アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason)
緑衣の女(Silence of the Grave(Grafartogn))
住宅建設地で発見された、人間の肋骨の一部。事件にしろ、事故にしろ、どう見ても最近埋められたものではない。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍やアメリカ軍のバラックもあったらしい。住民の証言の端々に現れる緑の服の女。数十年のあいだ封印されていた哀しい事件が、捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞/ガラスの鍵賞同時受賞。究極の北欧ミステリ。
(「BOOK」データベースより)2002年
アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason)
湿地(Jar City(Myrin))
雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
(「内容紹介」より)2001年
カーリン・アルヴテーゲン(Karin Alvtegen)
喪失(Missing(Saknad))
ストックホルムの32歳の女性ホームレスが、ある日突然、連続猟奇殺人犯として警察に追われることになる。食べ物と寝場所を求め格闘しながら、極限状態に身も心もすり減らし、たった一人で真相に迫っていく……。地方都市の富豪の一人娘がなぜホームレスになったのか? 深い心の傷を負い、絶望と背中合わせに生きる主人公が、逃避の人生を清算し新しい生き方を獲得する過程は大きな感動を呼ぶ。2000年北欧犯罪小説大賞受賞作。
(「内容紹介」より)2000年
ホーカン・ネッセル(Hakan Nesser)
(Hour of the Wolf(Carambole))
1999年
(Leif Davidsen)
(Lime's Photograph(Limes billede))
1998年
ジョー・ネスボ(Jo Nesbo)
ザ・バット 神話の殺人(The Bat(Flaggermusmannen))
オーストラリアで働くノルウェー人女性が死体で見つかり、オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のため、単身シドニーに赴く。ハリーも加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、隠れていた一連のレイプ殺人。犯人の目星は二転三転し、捜査班は出し抜かれては後手を踏む。さらに、封じ込めていた自身の過去がハリーを苛みはじめる…。「ガラスの鍵」賞受賞に輝く驚異のデビュー作、登場。
(「BOOK」データベースより)1997年
カリン・フォッスム(Karin Fossum)
湖のほとりで(Don't Look Back(Se dig ikke tilbake!))
風光明媚な、北欧の小さな村で発見された美しい女性の死体。その女性は、村の誰もが知る聡明で快活な少女・アニーだった。死体には争った形跡もなく、自殺か、あるいは顔見知りの犯行ではないかと推測された。事件は、早期に解決すると思われたのだが…。正統派の捜査小説にして、イタリア・アカデミー(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ)賞史上最多の10部門を独占した映画の原作。
(「BOOK」データベースより)1996年
(Fredrik Skagen)
(-(Nattsug))
1995年
(Erik Otto Larsen)
(-(Masken i spejlet))
1994年
(Kim Smage)
((Sub Rosa))
1993年
ペーター・ホゥ(Peter Hoeg)
スミラの雪の感覚(Miss Smilla's Feeling for Snow(Froken Smillas fornemmelse for sne))
雪のコペンハーゲン。イヌイットの血をひき、雪と氷と孤独を愛する女性、スミラ。友人の少年が雪の屋根から転落死する。が、雪が「読める」スミラに残された足跡は告げる、これは事故ではない―。真相を追う彼女にかかる検察の圧力。無言の脅し。そして、スミラが単身乗り込んだ謎の船は、氷に閉ざされたグリーンランドへ…。全く新しいヒロイン像が欧米で爆発的にヒットした、北欧産海洋冒険ミステリー。
(「BOOK」データベースより)1992年
ヘニング・マンケル(Henning Mankell)
殺人者の顔(Faceless Killers(Mordare utan ansikte))
雪の予感がする早朝、小さな村から異変を告げる急報が入った。駆けつけた刑事を待っていたのは、凄惨な光景だった。無惨な傷を負って男は死亡、虫の息だった女も「外国の」と言い残して息をひきとる。地方の片隅で静かに暮らしていた老夫婦を、誰がかくも残虐に殺したのか?イースタ署の面々が必死の捜査を開始する。スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズ開幕。
(「BOOK」データベースより)