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A・J・クィネル「サン・カルロの対決」の感想です。

A・J・クィネル「サン・カルロの対決」☆☆

サン・カルロの対決

中米の小国サン・カルロで左翼革命が発生し、興奮した学生たちはアメリカ大使館を占拠し大使館員や家族等を人質に取った。

アメリカ大使ピーボディは重要機密を知っているものとして、キューバ情報局長で天才的な尋問の専門家ホルヘから厳しい尋問を受ける。

この非常事態を受けて、米国陸軍の軍人たちによる人質救出作戦が実行されるのだが・・・。


それぞれの立場の人間が一人称で語る形式の小説には新鮮な印象を受けます。

違った立場の人間の内面に迫る物語は迫力満点で、登場人物の殆どはそれぞれが実は孤独な半生を送ってきた男性たち。

立場は違えども誰もが尊敬されうる立派な人物で、彼らが救出作戦に赴く下りは感動的でもあります。

クィネルの冒険小説は、一作一作の質が本当に高いと思います。面白かったです。