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A・J・クィネル「地獄の静かな夜」の感想です。

A・J・クィネル「地獄の静かな夜」☆☆

地獄の静かな夜

「手錠」「愛馬グラディエーター」「バッファロー」「ヴィーナス・カプセル」「64時間」「ニューヨーク・ニューイヤー」「地獄の静かな夜」の7篇の冒険小説を収録した短編集です。

ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦による民族浄化を描いた「地獄の静かな夜」や、元傭兵のクリーシィが格好良く登場する「愛馬グラディエーター」など、色々な主題の短編が収録されていて興味深かったです。

クィネルの作品は長編しか読んだことがなかったのですが、短編もそれなりの味わいが有りました。

但し、クィネルはアイディアよりも、迫力がありながら緻密な構成力で勝負する作家という気がしますので、長編の方が持ち味が生きるような気がします。

2005年にクィネルが亡くなってしまい、もう彼の作品が読めないのは寂しいですね。