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アマンダ・クイック「首飾りが月光にきらめく」の感想です。

アマンダ・クイック「首飾りが月光にきらめく」☆☆☆

首飾りが月光にきらめく

テムズ川で自殺したとされる婚約者の事件に不審を抱く名家の男性アンソニーは、上流階級の紳士ヘイスティングズが事件に関係しているのではないかと疑っていた。

事件の真相を探るためヘイスティングズ邸での社交パーティに出席したアンソニーは、さまざまな邸宅で開かれる舞踏会で良く見かける女性ルイーザが、ヘイスティングズの私室に忍び込むところを見かけた。

実はルイーザもヘイスティングズの身辺調査をしていたのだが、アンソニーがルイーザの行動を質しているところを、運悪くヘイスティングズの護衛に見つかってしまい、それをごまかすために二人は恋人のフリをする。

こうして知り合った二人は、協力してヘイスティングズの悪行の調査に乗り出すのだが、共に行動を重ねるうちにお互いに惹かれあっていく。

しかしルイーザには人に知られてはならない過去があった。

暴行魔の貴族に襲われ、身を守るためにその貴族を殺害してしまったルイーザは、自殺を装って過去の自分と決別し、女性新聞記者として正体を偽って生きてきたのだった。

自分にはアンソニーを愛する資格などないと悩むルイーザに対して、アンソニーはルイーザには人に言えぬ過去があると推測して、密かにルイーザのことも調べ始める。


婚約者の死の真因を調べる名家の男性アンソニーと、匿名で新聞記事を書いている謎の女性ルイーザが協力して事件の謎を追う姿を描いたサスペンス・ロマンスです。

婚約者の死の謎を追う男と殺人を犯した女性との情熱的な恋というと、ロマンチックだけど少し暗い雰囲気を連想しますけど、暗いどころか何となく全体的にユーモラスなのは登場人物達の会話と性格に有るんでしょうね。

アンソニーの家族なんて相当の変り者揃いですし、ルイーザの秘密が分かっても全く動じないような人たちですからねぇ。

あまり気を張らずに楽しめるアマンダ・クイックらしい作品です。