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アマンダ・クイック「そっと愛をささやく夜は」の感想です。

アマンダ・クイック「そっと愛をささやく夜は」☆☆

そっと愛をささやく夜は

ローマで古美術品店を経営していた未亡人ラヴィニア・レイクは、突然やって来て商品を壊し始めた探偵トビアス・マーチに怒りの矛先を向けたが、トビアスは早く荷物をまとめてこの店から出ていくように告げるだけだった。

トビアスの調査によると、ラヴィニアの店で犯罪組織の取引が行われ、このままではラヴィニアと姪のエメリンにも危険が及ぶという。

納得できないラヴィニアだったが、エメリンの説得もあって、トビアスの用意した馬車に乗ってロンドンに戻ることになった。

それから数ヶ月後、ラヴィニアの元にホルトン・フェリックスという男から、ローマで起きた犯罪組織にまつわる事件でスキャンダルに巻き込まれたくなければ金を払えという脅迫状が届く。

エメリンに社交界デビューを果たさせて、条件の良い相手を探したいと考えているラヴィニアには、犯罪組織と関係しているかのようなスキャンダルが起きては困るが、かと言って卑劣な脅迫に屈する訳にはいかない。

証拠品を盗もうと夜が更けてからフェリックス宅に向かったラヴィニアだったが、そこで発見したのは、フェリックスの死体と、ラヴィニアと同様にフェリックスを調査していたトビアスだった。

二人は協力して捜査を進める事にするが・・・


19世紀前半のロンドンを舞台にして、探偵業に従事する男女を主人公にしたヒストリカル・ロマンス〈レイク&マーチ〉シリーズの1作目の作品です。

主人公のラヴィニアはアマンダ・クイックの描くヒロインらしさ満点の意志と負けん気が強い天然の変わった女性で、お相手になる男性は、何でも器用にこなす、一見強面だけど実は気持ちの優しい探偵トビアス。

連続殺人事件が起るミステリィになっていますけど、ミステリィとしてはイマイチ不出来で、それよりも登場人物たちの珍妙な掛け合いが楽しい小説です。

ロマンス小説も似たような話になりがちで、このシリーズもそんな感じですけど、管理人はアマンダ・クイックの雰囲気が好きなので、ついつい買ってしまうんですよね。