ヴァーナー・ヴィンジ「最果ての銀河船団」☆☆☆

最果ての銀河船団

ヒューゴー賞受賞の冒険SF大作です。「遠き神々の炎」でも思いましたが、この作家の描くエイリアンの生態は中々興味深いものがあります。


広大な銀河宇宙に君臨する商人船団チェンホーは、蜘蛛型の生命体が存在し、250年に35年間だけ光があるという奇妙な星域に向かっていた。

しかしその星域のもたらす利権を狙って、新興国家エマージェントからの船団が現れ、双方の船団が衝突する。

この争いでは、'集中化'という特殊処理を行う事で人間を自由に操れるエマージェントがチェンホーの不意をついて勝利したが、エマージェントの船団もまた航行不能となる大きな打撃を受けてしまう。

双方の船団は宇宙空間を漂い、この聖域に住む蜘蛛に似た種族が目覚め、宇宙船の修理が出来るようになるまで待つしか方策がなかった。


導入部からオンオフ星だのチェンホーだの、微妙に子供っぽく感じられる固有名詞が気になりましたが、全体的には想像力を駆使した面白い冒険SFです。

覇権国家の宇宙船同士の争いと蜘蛛型生命の星における政争などを上手く組み合わせて展開する物語は、読み進むうちに夢中になっていきます。

35年間の活動期間が過ぎると長い休眠期間に入り文明が停滞するという蜘蛛型生命体の生態も良く書けているし、そうした中で活躍する科学者などを見ていると、人類ではない種族に感情移入して応援している自分がいます。

こういうところがSFの醍醐味ですし、ヴァーナー・ヴィンジはこういったSFを書くのが巧みな作家ですね。面白かったです。

 

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