第55回 2021年 風よ あらしよ 村山由佳 | | 明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。 (「内容紹介」より)
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第54回 2020年 受賞作なし | | |
第53回 2019年 鏡の背面 篠田節子 | | 薬物依存症患者やDV被害者の女性たちが暮らすシェルターで発生した火災。「先生」こと小野尚子が入居者を救い、死亡。盛大な「お別れの会」が催された後、警察から衝撃の事実が告げられる。「小野尚子」として死んだ遺体は、別人のものだった。ライターの山崎知佳は、過去を調べるうちに、かつて「女」を追っていた記者にたどり着く。一方、指導者を失ったシェルター内では、じわじわと不協和音が…。傑作長編サスペンス。 (「BOOK」データベースより)
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第52回 2018年 守教 帚木蓬生 | | 初めてだった。これほどに、自分を認めてくれる教えは。だから、信じることに決めた。百姓たちは、苦しい日々を生き抜くためにキリシタンになった。なにかが変わるかもしれないという、かすかな希望。手作りのロザリオ。村を訪れた宣教師のミサ。ときの権力者たちも、祈ることを奨励した。時代が変わる感触がそのときは、確かにあった。しかし―。感涙の歴史巨編。戦国期から開国まで。無視されてきたキリシタン通史。 (「BOOK」データベースより)
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第51回 2017年 大雪物語 藤田宜永 | | 著者みずからの罹災体験を基に、家族、男女を描く珠玉の六編。記録的な積雪に見舞われたK町で起きたこと―。想定外の雪が生んだ、奇跡の出会い。 (「BOOK」データベースより)
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第50回 2016年 東京零年 赤川次郎 | | 脳出血で倒れ介護施設に入所している永沢浩介が、TV番組に一瞬だけ映った男を見て発作を起こした。呼び出された娘の亜紀は、たどたどしく喋る父の口から衝撃の一言を聞く。「ゆあさ」―それは昔殺されたはずの男・湯浅道男のことだった。元検察官の父・重治が湯浅の死に関与していた事を知った健司は、真相を解明すべく亜紀とともに動き出す。時は遡り数年前、エリート検察官の重治、反権力ジャーナリストの浩介、その補佐を務める湯浅。圧倒的な権力を武器に時代から人を消した男と消された男がいた―。 (「BOOK」データベースより)
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第49回 2015年 平蔵狩り 逢坂剛 | | 石川島人足寄場、オランダ渡りの禁制の薬、本所の“へいぞう”を父と探す女絵師…。火盗改・長谷川平蔵ふたたび!鬼平ファンに捧ぐハードボイルド時代小説。 (「BOOK」データベースより)
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第48回 2014年 海と月の迷路 大沢在昌 | | 海に浮かぶ「密室」殺人者はここにいる。昭和34年。満月の夜に不審な死を遂げた少女。若き警察官が追うものは殺人鬼の“幻影”か。わずかな土地に五千人がひしめく炭坑の島。少女の事故死を疑う若き警察官・荒巻の“許されざる捜査”は、しきたりや掟に支配された島に波紋を広げていく。警察の正義は守られるのか。次の満月―殺人者はふたたび動き出すのか。 (「BOOK」データベースより)
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第48回 2014年 祈りの幕が下りる時 東野圭吾 | | 悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。 (「BOOK」データベースより)
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第47回 2013年 沈黙のひと 小池真理子 | | パーキンソン病を患い、沈黙のうちに亡くなった父。遺された文書と手紙には、絶望に直面してもなお、家族や恋人への愛、短歌への情熱と共に生きたその揺るぎない足跡が刻まれていた―。圧倒的な人間讃歌。生きるとは?死ぬとは?家族とは?著者渾身の感動作。 (「BOOK」データベースより)
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第46回 2012年 大江戸釣客伝 夢枕獏 | | 最古の釣り指南書『何羨録(かせんろく)』を著した津軽采女(つがるうねめ)を中心に描く、釣りに憑かれた人々の活躍。元禄の世の釣り勝負の妙、名人の業。絵師朝湖と俳人其角が釣り上げた土左衛門の正体は!? (「BOOK」データベースより)
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第45回 2011年 悪道 森村誠一 | | 将軍綱吉が柳沢邸に御成り中、天下の大乱を招きかねない変事が勃発。吉保は秘密を知る者の鏖を暗殺集団猿蓑衆に命ずる。伊賀忍者末裔の英次郎は天才女医おそでを護り、おくのほそ道を血に染め逃亡の旅へ。強大な敵の喉元に迫る不屈の一寸の虫たち。死闘の行方は!?吉川英治文学賞に輝く時代小説の最高峰。 (「BOOK」データベースより)
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第44回 2010年 十字架 重松清 | | いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第43回 2009年 オリンピックの身代金 奥田英朗 | | 昭和39年夏、東京はアジア初のオリンピック開催を目前に控えて熱狂に包まれていた。そんな中、警察幹部宅と警察学校を狙った連続爆破事件が発生。前後して、五輪開催を妨害するとの脅迫状が届く。敗戦国から一等国に駆け上がろうとする国家の名誉と警察の威信をかけた大捜査が極秘のうちに進められ、わずかな手掛かりから捜査線上に一人の容疑者が浮かぶ。圧倒的スケールと緻密なディテールで描く犯罪サスペンス大作。 (「BOOK」データベースより)
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第42回 2008年 中原の虹 浅田次郎 | | 「汝、満洲の王者たれ」予言を受けた親も家もなき青年、張作霖。天命を示す“龍玉”を手に入れ、馬賊の長として頭角を現してゆく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。 (「BOOK」データベースより)
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第41回 2007年 名もなき毒 宮部みゆき | | 今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第40回 2006年 受賞作なし | | |
第39回 2005年 夜の明けるまで 北原亞以子 | | 江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男…。彼らの心に温かいものが戻ってくる物語全8作。第39回吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第38回 2004年 楊家将 北方謙三 | | 中国で、「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていなかったこの物語だが、舞台は10世紀末の中国である。宋に帰順した軍閥・楊家は、領土を北から脅かす遼と対峙するため、北辺の守りについていた。建国の苦悩のなか、伝説の英雄・楊業と息子たちの熱き闘いが始まる。衝撃の登場を果たし、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)
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第37回 2003年 海霧 原田康子 | | 幕末の佐賀に生まれた幸吉は、米問屋に奉公に出るが、「新しい時代の産物」石炭に魅せられ、坑夫となってエゾ地へと渡る。広大な未開の地にあって、己の力と才覚で新しい人生を切り開いていくのだった…。幕末から明治、昭和へと、激動の時代をひたむきに生きた著者の血族を描いた物語。吉川英治文学賞受賞。 (「内容紹介」より)
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第36回 2002年 ごろごろ 伊集院静 | | ベトナム特儒に沸く横浜港に流れついた四人の男。ガン、サクジ、トミヤス、キサン。彼らの遊びはきまって一人が抜ける三人麻雀だった。あてどのない流謫の日々、つかのまの花見の宴。いつも男たちの胸に痞える大きな石のようなもの。悲しみと寂寥の正体は何なのか。男たちの流浪を描く傑作長篇小説。 (「BOOK」データベースより)
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第35回 2001年 子産 宮城谷昌光 | | 信義なき世をいかに生きるか―春秋時代中期、小国鄭は晋と楚の二大国間で向背をくりかえし、民は疲弊し国は誇りを失いつつあった。戦乱の鄭であざやかな武徳をしめす名将子国と、その嫡子で孔子に敬仰された最高の知識人子産。二代にわたる勇気と徳の生涯を謳いあげる歴史叙事詩。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第34回 2000年 火怨 高橋克彦 | | 八世紀、黄金を求めて押し寄せる朝廷の大軍を相手に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為は遊撃戦を展開した。古代の英雄の生涯を描く渾身の歴史巨編。 (「BOOK」データベースより)
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第33回 1999年 怒濤のごとく 白石一郎 | | 鄭成功は、明国海賊の鄭芝龍と日本人・田川マツとの間に1624年、平戸に生まれた。時に、日本では徳川幕府が豊臣家を亡ぼし、国内を統一し、中国では満州族の侵入のため明の屋台骨が揺らぎ始め、ポルトガルやオランダ、スペインがアジアに植民地を建設。風雲急を告げる東アジアで鄭一族は、次第に一大勢力となる。一六二四年、落日の平戸の浜で生を享けた日中混血の運命の子、鄭成功の生涯。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第32回 1998年 みんなの秘密 林真理子 | | 普通の人などひとりもいない……。人間の秘め事を描く連作小説。男と女、心理と生理のなまめかしい絡み合い。倉田涼子、34歳。キスに対して少女よりもおぼこな人妻は、不倫という甘い蜜を手に入れた。キスだけの淡い恋に酔いしれ、その先の関係におそれおののくが……「爪を塗る女」。何かを隠して生きている妻、夫、娘、愛人たち、人間の密やかな喜びと切なさを描く連作小説集。第32回吉川英治文学賞受賞作。 (「内容紹介」より)
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第32回 1998年 死の泉 皆川博子 | | 第二次大戦下のドイツ。私生児をみごもりナチの施設「レーベンスボルン」の産院に身をおくマルガレーテは、不老不死を研究し芸術を偏愛する医師クラウスの求婚を承諾した。が、激化する戦火のなか、次第に狂気をおびていくクラウスの言動に怯えながら、やがて、この世の地獄を見ることに…。双頭の去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作。 (「BOOK」データベースより)
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第31回 1997年 同心円 野坂昭如 | | 溢れる野坂文学の醍醐味。女と酒、舌先三寸、身勝手、臆病…同心円上の誰彼につながるオノレのうちを凝視する連作長篇。 (「BOOK」データベースより)
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第30回 1996年 星の衣 高橋治 | | 機に浮かぶ模様が、忘れがたい男の優しさを、忘れてしまいたい男の面影を、織り出していく。沖縄の伝統織物に生涯をかける二人の女―汀子は亡き夫へ捧げる〔首里織〕を、尚子は新しい人生の証となる〔八重山上布〕を。生と愛の情念を織り上げる女のひたむきさを描く感動の長編小説。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第29回 1995年 夢のまた夢 津本陽 | | 天正十年、毛利攻めの直中にあった羽柴秀吉は、偶然捕らえた間者が忍ばせていた密書に衝撃を受ける。本能寺で織田信長討死。それは明智光秀が毛利家に宛てたものだった。窮地を覚った秀吉は毛利と巧みに和睦。中国大返しと呼ばれる急行軍を成し遂げ、仇敵・光秀との決戦に臨む…。野望と独善に満ちた天下人の生涯を、凛乎たる筆致で描く歴史巨編。 (「BOOK」データベースより)
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第29回 1995年 新トロイア物語 阿刀田高 | | 絶世の美女ヘレネと王子パリスが駆け落ちした。ヘレネを略奪した者は、求婚した者全員から報復を受ける。ユニークな「テュンダレオスの掟」が、古代ギリシアに予期せぬ大戦争を巻きおこした。名高い「トロイアの木馬」は真実だったのか。壮大な叙事詩の世界に挑んだ歴史小説。吉川英治文学賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第28回 1994年 受賞作なし | | |
第27回 1993年 ひねくれ一茶 田辺聖子 | | 江戸の荒奉公で苦労の末、好きな俳諧にうち込み、貧窮の行脚俳人として放浪した修業時代。辛酸の後に柏原に帰り、故郷の大地で独自の句境を確立した晩年。ひねくれと童心の屈折の中から生れた、わかりやすく自由な、美しい俳句。小林一茶の人間像を、愛着をこめて描き出した傑作長編小説。田辺文学の金字塔。 (「BOOK」データベースより)
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第26回 1992年 諸葛孔明 陳舜臣 | | 後漢は衰微し、群雄が覇を競う乱世に、一人の青年が時を待っていた。三顧の礼にこたえ、劉備のもと、「臥竜」孔明は、南下する最強の敵、曹操に立ち向かうべく、赤壁の戦いへと赴く。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。 (「BOOK」データベースより)
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第25回 1991年 花影の花 大石内蔵助の妻 平岩弓枝 | | 元禄十六年二月、大石内蔵助、主税父子は忠臣義士として華やかに散る。その影で、ひっそりと咲きつづけた小さく可憐な花…。大石内蔵助の妻となり、別れて後はその遺児大三郎とともに、終生“忠臣の妻”として生きた女、りく。その哀しみ多い六十八年間の生涯が、ここに鮮やかに描き出される。「忠臣蔵」後の秘められたドラマに光をあてた感動の力作長編。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第24回 1990年 大衆文学の歴史 尾崎秀樹 | | 100年余に及ぶ大衆文学の通史。円朝の講談・人情噺の速記本化、立川文庫の活況、「大菩薩峠」の執筆開始などの前史をふまえ、大衆文学の成立から今日の隆盛までを、あまたの作家の人と作品にふれながら描きあげた著者100冊目の記念碑的労作。戦前篇、戦後篇に分冊。 (「BOOK」データベースより)
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第23回 1989年 会津士魂 早乙女貢 | | 幕末、京都を中心に尊皇攘夷の嵐が吹きあれる中、会津藩主松平容保は、京都守護職を拝命し、京都の秩序回復と禁裏の守護に当たるべく藩士を率いて上洛した。天皇に忠を、幕府に孝を尽くした会津藩主従が、なぜ朝敵の汚名を被らねばならなかったか。幕末悲劇の真相を追求する著者畢生の大河歴史小説。吉川英治文学賞受賞作品。 (「BOOK」データベースより)
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第22回 1988年 「雲と風と」ならびに一連の歴史小説に対して 永井路子 | | けわしい求法の道をたどり、苦悩する桓武帝を支えた最澄の生涯を、遠い歳月をこえて追跡する。北叡山開創一千二百余年、不滅の光芒を放つ宗祖伝教大師の人間と思想を、雲走り風騒ぐ激動の時代の中に描く歴史大作。 (「BOOK」データベースより)
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第21回 1987年 優駿 宮本輝 | | 生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように…。若者の祈りに応えて、北海道の小さな牧場に、1頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇が、幕を開けた―。吉川英治文学賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第20回 1986年 「腹鼓記」 「不忠臣蔵」 井上ひさし | | 天保8年、阿波徳島の奉行・浜島庄兵衛が染物屋大和屋の娘お美代を見染め、妾にしたいと無理難題を言ってきた。大和屋に命を助けられた狸の一家が恩返しに窮地を救うが、意外や意外、事態はエスカレートして狐族まで巻き込む化かし合いが勃発する。人と狸の恋、狸と狐の毛球試合、狸大学の化け学講義、狸対狐の屋島壇ノ浦の合戦など、珍談綺譚で展開する奇想天外大爆笑痛快長編。 (「BOOK」データベースより)
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第20回 1986年 白き瓶 藤沢周平 | | 三十七年の短い生涯を旅と作歌に捧げ、妻子をもつことなく逝った長塚節。清潔な風貌とこわれやすい身体をもつ彼は、みずから好んでうたった白埴の瓶に似ていたかもしれない。この歌人の生の輝きを、清冽な文章で辿った会心の鎮魂賦。新装版刊行にあたり、作品の細部をめぐって著者が清水房雄氏と交わした書簡の一部を掲載した。 (「BOOK」データベースより)
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第19回 1985年 終着駅 結城昌治 | | 敗戦直後の焼け跡・東京で、ウニ三という正体不明の男がどぶにはまって変死。その位牌はまるで死のバトンの如く引き受けた男達につぎつぎと無造作な死を招き寄せる。絶対的価値が崩壊した後、庶民はいかに生き、いかに死んでいったか?独白体、落語体、書簡体等、章毎に文体を変え、虚無と希望の交錯する時代を活写。『軍旗はためく下に』の戦争テーマを深化した純度高い傑作。吉川英治文学賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第18回 1984年 静かなノモンハン 伊藤桂一 | | 昭和十四年五月、満蒙国境で始まった小競り合いは、関東軍、ソ蒙軍間の四ヵ月に亘る凄絶な戦闘に発展した。襲いかかる大戦車群に、徒手空拳の軽装備で対し、水さえない砂また砂の戦場に斃れた死者八千余。生還した三人の体験談をもとに戦場の実状と兵士たちの生理と心理を克明に記録、抑制された描写が無告の兵士の悲しみを今に呼び返す。芸術選奨文部大臣賞、吉川英治文学賞受賞の戦争文学の傑作。 (「BOOK」データベースより)
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第17回 1983年 序の舞 宮尾登美子 | | |
第16回 1982年 細香日記 南條範夫 | | |
第15回 1981年 茜いろの坂 船山馨 | | |
第14回 1980年 天の川の太陽 黒岩重吾 | | 大化の改新のあと政権を保持する兄天智天皇の都で、次第に疎外される皇太弟大海人皇子。悲運のなかで大海人の胸にたぎる想いは何か。額田王との灼熱の恋、鬱勃たる野心。古代日本を震撼させた未曾有の大乱の全貌を雄渾な筆致で活写する小説壬申の乱。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第14回 1980年 「遠き落日」 「長崎ロシア遊女館」 渡辺淳一 | | 猪苗代湖畔の貧農の家に生まれ、苦難の中上京、医学の階段を登りアメリカへ。異境での超人的な研究と活躍、野口英世の劇的な生涯と医学と人間性を鋭く描破した、吉川英治賞受賞。 (「内容紹介」より)
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第13回 1979年 ふぉん・しいほるとの娘 吉村昭 | | 幕末の長崎で最新の西洋医学を教えて、神のごとく敬われたシーボルト。しかし彼は軍医として、鎖国のベールに閉ざされた日本の国情を探ることをオランダ政府から命じられていた。シーボルトは丸山遊廓の遊女・其扇を見初め、二人の間にお稲が生まれるが、その直後、日本地図の国外持ち出しなどの策謀が幕府の知るところとなり、厳しい詮議の末、シーボルトは追放されお稲は残される。吉川英治文学賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第12回 1978年 滝沢馬琴 杉本苑子 | | 滝沢馬琴の苛酷な生を描く吉川英治文学賞受賞作。「南総里見八犬伝」「椿説弓張月」等で名声を得た馬琴は、保守的で狷介な性格のため人と衝突することも多く、苦しい家計と病弱な家族の煩労も、一身に負っていた。 (「内容紹介」より)
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第11回 1977年 「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」などを中心とした作家活動に対して 池波正太郎 | | 斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵。盗賊たちには“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は義理も人情も心得た苦労人であ。彼を主人公に、さまざまな浮世の出来事を描き出し、新感覚の時代小説として評判高く、テレビに舞台に人気の集まる鬼平シリーズ第一巻。 (「BOOK」データベースより)
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第10回 1976年 青春の門 五木寛之 | | 誰もが一度は通りすぎる、そしてただ一度しか通ることの許されない青春の門。熱い血のたぎる筑豊の地に生を享けた伊吹信介。目覚めゆく少年の愛と性、そして人生への希望と旅立ち…。ひたむきな青春の遍歴を雄大な構想で描き、世代を超えて読みつがれる不滅の大河ロマン第1部。著者の全面的な加筆を得た改訂新版全6巻、刊行開始。 (「BOOK」データベースより)
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第9回 1975年 落日燃ゆ 城山三郎 | | 東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第8回 1974年 「武田信玄」ならびに一連の山岳小説に対して 新田次郎 | | 狂乱の日々を送り、民に恨みの声をあげさせていた父・武田信虎を追放して甲斐の国の主となった信玄は、信濃の国に怒涛の進撃をはじめた。諏訪頼重を甲斐に幽閉し小笠原長時を塩尻峠に破り、さらに村上義清を砥石城に攻略する。信玄は天下統一を夢みて、京都に上ろうと志す。雄大な構想で描く歴史小説の第一巻。 (「BOOK」データベースより)
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第7回 1973年 「兵卒の鬣」を中心とした作家活動に対して 水上勉 | | |
第6回 1972年 「世に棲む日日」を中心とした作家活動に対して 司馬遼太郎 | | 嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。 (「BOOK」データベースより)
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第5回 1971年 「口紅と鏡」「幽霊になった男」その他、これまでの新しい大衆文学の領域を確立した業績の業績に対して 源氏鶏太 | | |
第4回 1970年 「三国志 英雄ここにあり」を中心とした旺盛な作家活動に対して 柴田錬三郎 | | 後漢・霊帝の皇基衰えて天下は乱れ、劉備玄徳は、関羽、張飛と義を結んで黄巾賊討滅に起上った。都の洛陽で大将軍何進の後を襲うは、曹操か、袁紹か?河南には大軍を擁する菫卓が、遥か洛陽の空を望んでいた。治乱興亡――国造りの戦国絵巻を雄大なスケールで描く、興趣横溢の長編小説。吉川英治文学賞受賞。 (「内容紹介」より)
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第3回 1969年 しぐれ茶屋おりく 川口松太郎 | | |
第2回 1968年 徳川家康 山岡荘八 | | 竹千代(家康)が生まれた年、信玄は22歳、謙信は13歳、信長は9歳であった。動乱期の英傑が天下制覇の夢を抱くさなかの誕生。それは弱小松平党にとっては希望の星であった―剛毅と智謀を兼ね備えて泰平の世を拓いた家康の生涯を描いて、現代人の心に永遠の感動を刻む世紀の大河ドラマ発端篇! (「BOOK」データベースより)
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第1回 1967年 「昭和史発掘」「花氷」「逃亡」ならびに幅広い作家活動に対して 松本清張 | | 厖大な未発表資料と綿密な取材によって、昭和初期の日本現代史の埋もれた事実に光をあてた不朽の労作が新装版で登場。政界に絡む事件の捜査中に起きた「石田検事の怪死」、部落問題を真正面から取り上げた「北原二等卒の直訴」、他に「陸軍機密費問題」「朴烈大逆事件」「芥川龍之介の死」など五篇を第一巻に収録。圧倒的な面白さ。 (「BOOK」データベースより)
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